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講演する尾林芳匡弁護士=兵庫県弁護士会館
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講演する尾林芳匡弁護士=兵庫県弁護士会館

 自治体が水道事業の運営を民間企業に委託する「コンセッション方式」を促進する改正水道法を巡り、兵庫県弁護士会は5日夜、神戸市中央区内で研修会を開いた。同法の問題点に詳しい尾林芳匡(よしまさ)弁護士(57)=東京弁護士会=が講演し「民営化や広域化が進むと、市民のための水が守れなくなる」と訴えた。(小林伸哉)

 改正水道法は老朽化が進む水道事業の経営基盤強化に向け、広域化・民営化・官民連携の推進を目指す。一方、世界各地で水道民営化による料金高騰や水質悪化などの問題が起こり、パリやベルリンなどでは再び公営化している。

 尾林弁護士は「水道法は『きれいで安い水を豊富に供給する』のが目的。憲法は『公衆衛生の向上は国の責任』と定める。水は生存権に直結し、健康を守るために欠かせない」と指摘し「お金本位や経済性だけで考えてはいけない」と改正法を批判した。

 民営化されれば「営利本位で水質が守られるか、大変心配」とし「水道の専門的知識・経験に習熟した技術職員が公共団体に残らなくなり、企業の言いなりで料金が設定される。公共の責任で高騰を防ぐ必要がある」と懸念した。

 水道事業広域化を巡っては、「名水」で知られる埼玉県小鹿野町で浄水場を廃止し、別の水系から供給する計画が持ち上がり住民が反対した。尾林弁護士は「地域ごとに優れた水源は違い、広域化は実情に合わない。遠方からの供給施設を維持するのは余計にお金がかかる。計画は現場に近い方が的確に立てられる」と批判した。

 コンセッション方式の導入は地方自治体の判断に委ねられる。「自治体や議員、住民が学び、市民参加で地元の水源を生かし、合理的な水道計画を立てるのが大事」と呼び掛けた。

   ◇

 兵庫県弁護士会(藤掛伸之会長)は5日、海外の民営化による値上げや再公営化の事例を踏まえ「慎重な議論が必要で、性急に結論を急ぐべきでない」とする会長談話を発表した。

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