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「神戸の冬を支える会」の事務所。出所者らの相談が増えている=神戸市中央区中山手通1
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「神戸の冬を支える会」の事務所。出所者らの相談が増えている=神戸市中央区中山手通1

 仕事と住まいを失い、やけになり軽微な罪を犯す人たちがいる。彼らの更生の道は厳しい。

 神戸・北野坂を上り、カトリック神戸中央教会へ。教会内に、ホームレスを支援するNPO法人「神戸の冬を支える会」の事務所があり、48歳の男性と会った。一月余り前、自転車を盗んで逮捕されたという。

 「お恥ずかしい話ですが…」。男性は丁寧な口調で語り始めた。30代で実家を飛び出して上京。知人のアパートに転がり込み、パチンコで稼いだ。40代になり派遣会社で働き始めたが、契約でもめて退職。「人生がどうでもよくなった」

 10月、当てもなく大阪に向けて歩きだした。かばんには現金千円とスナック菓子。野宿を続け、体力は限界に達した。愛知県で警察に保護を求めたが、「罪を犯してない人を拘束できない」と。脚が痛み、駅の自転車に手を付けたという。

 その自転車で兵庫県に入ると、警察官に職務質問された。「僕のじゃありません」。占有離脱物横領容疑で逮捕されたが、不起訴処分になり釈放。絶縁状態でも家族がいるため、更生保護施設の入所対象にならない。国選弁護士から「神戸の冬-」を紹介された。

 神戸の冬-は、国の「生活困窮者自立支援制度」の相談窓口。生活支援として1日約6千円を上限に3カ月間、宿泊費や衣食を提供する。相談に訪れる4人に1人が、刑務所の出所者や警察署からの釈放者で、増加傾向にある。

 神戸の冬-の事務局長、青木茂幸(62)は男性にクオカードを手渡した。現金は禁止。カードで1泊2800円のカプセルホテル代を支払い、コンビニで弁当を買う。ここ1週間、不動産業者を巡り住まいを探していた。「断られてばっかりで疲れた。住み込みの仕事でも見つけようかな」と男性。青木は「家と仕事は別にしましょう。住み込みだと、仕事を失うと家もなくなります」と助言した。

 青木が言う。「追い詰められると、考え方が短絡的になる。そうすると、次はもっと大きな犯罪をしかねない」。逮捕者に占める再犯者の割合は4割超。国は再犯防止推進法を制定し、出所者らの職と住居の確保の支援を進める。「人生をどう生き直すかは個人の意思にかかっている。僕たちが何をどこまでするのか、できるのか…」。青木の悩みは深い。(敬称略)

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