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洋画家・小出楢重と俳人・高浜虚子が共作した新発見の掛け軸。1920年に別府温泉で描かれた(芦屋市立美術博物館提供)
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洋画家・小出楢重と俳人・高浜虚子が共作した新発見の掛け軸。1920年に別府温泉で描かれた(芦屋市立美術博物館提供)
小出楢重
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小出楢重
小出楢重が交友のあった旅館の主人へ出したはがきの一部。欧州から送ったものや自ら絵を描いたものも
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小出楢重が交友のあった旅館の主人へ出したはがきの一部。欧州から送ったものや自ら絵を描いたものも

 兵庫県芦屋ゆかりの近代洋画の巨匠・小出楢重(1887~1931年)と、大分県・別府温泉の老舗旅館の主人との交友を伝える掛け軸やはがきが東京都内で見つかった。小出が1920(大正9)年に、俳人の高浜虚子らと共に別府を訪ねて以来の仲で、滞欧中に旅先から絵はがきなどを送っている。芦屋市立美術博物館(芦屋市伊勢町)で8日開幕した企画展「ザ・コレクション」で初公開されている。(堀井正純)

 小出は大阪市生まれで、芦屋市にアトリエを構えた。自身と家族を描き、美術の教科書にも載った油彩画「Nの家族」(国指定重要文化財)や、文豪・谷崎潤一郎の小説「蓼喰う虫」の挿絵などで知られる。

 掛け軸や手紙は、江戸時代から続いた「日名子旅館」のあるじで、別府町長も務めた日名子太郎の遺族が保管。芦屋市立美術博物館の大槻晃実学芸員が調査・確認した。

 掛け軸は縦143・1センチ、横30・4センチ。別府にあった水辺のバショウや水車小屋の情景を、小出が墨と淡彩で俳画のように軽快に描写。虚子が自句「大地より生えてぞ青き芭蕉哉」を記している。

 20年7月、虚子や小出らは別府温泉を宣伝するための旅に招かれ、日名子らの案内で、奇観を呈する源泉を周遊する「地獄めぐり」などを楽しんだ。掛け軸はこのとき現地で制作された。旅の詳細は後日、大阪の新聞に連載され、虚子らが文を、小出が挿絵を担当。掛け軸とほぼ同じ構図の絵が新聞にも掲載されている。

 はがきは、20~22年に小出が日名子へ送った10通。パリやベルリン、ニースなどからの絵はがきでは「終日繪をかいて終夜アクビをしています」といった近況を報告している。「西洋がイヤになってしまいました。別府の温泉の如くのどかである処は世界にありませんね」と思いをつづったものもあり、「小出の人柄や当時の心境を知る上で興味深い」と大槻学芸員。

 企画展「ザ・コレクション」は来年2月11日まで。同館TEL0797・38・5432

【こいで・ならしげ】大阪市出身。東京美術学校(現東京芸術大)を卒業。渡仏して帰国後、大阪に信濃橋洋画研究所を開き、関西洋画界の発展に努めた。1926年に芦屋市に転居してアトリエを構え、裸婦像を中心に佳作を残した。芦屋市立美術博物館の敷地内にアトリエが復元されている。

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