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幻のディズニー作品と判明した「スピーデー」。詳細調査のため、フィルムをデジタル化した=神戸市西区学園西町5、神戸芸術工科大
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幻のディズニー作品と判明した「スピーデー」。詳細調査のため、フィルムをデジタル化した=神戸市西区学園西町5、神戸芸術工科大
見つかったフィルムに共通する「スピーデー」のタイトルカット(神戸映画資料館提供)
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見つかったフィルムに共通する「スピーデー」のタイトルカット(神戸映画資料館提供)

 ディズニーアニメの失われたとされる初期短編が神戸で見つかり、世界的に話題となっている。神戸映画資料館(神戸市長田区)にある16ミリ「ミッキー漫画スピーデー」で、1928年公開の「Neck,n,Neck」(大接戦)の短縮版と判明した。さらに同タイトルで、家庭向けに販売されていた35ミリの「玩具映画」フィルムも見つかり、同館は2本保管する。幻だったフィルムが神戸に計3本集まる驚きの事態となっている。(田中真治)

 同作は、ミッキーマウスの先輩キャラクター「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」が主人公。アニメ史研究者の渡辺泰さん(84)=大阪府寝屋川市=が高校時代、大阪・松屋町の光学玩具店で購入し、10年ほど前、友人の安井喜雄・神戸映画資料館長(70)に寄贈した。

 恋人を乗せて車を飛ばすウサギのオズワルドとイヌの警察官の追跡劇で、わだちの幅が変わると車も伸び縮みするギャグなどがちりばめられている。

 渡辺さんは昨年、オズワルドを巡る英語の研究書を入手。現存しないとされる作品のシナリオを読み、「『スピーデー』と同じだとピンときた」。

 オリジナルの5分から約2分に短縮されているが、後半のカーチェイスの場面はほぼ現存。昨年11月に国内外のメディアが発見を報じ、反響を呼んだ。

 このニュースの後、兵庫県西宮市の女性(80)が「古いフィルムが役に立つのなら」と家庭用の玩具映画を同館に寄託。その1本が約30秒の「スピーデー」だった。

 また、安井館長の収集した玩具映画からも「スピーデー」が見つかり、こちらは約50秒。いずれも16ミリとコマは重複しており、状態は寄託された玩具映画が最も良好だという。

 渡辺さんによると、35(昭和10)年の玩具映画のリストに「スピーデー」が掲載。戦前に劇場公開されているとみて、公開年と邦題の調査に意欲を燃やす。米ディズニー社との接触はまだないが、渡辺さんらは「見つかったフィルムのきれいなコマから最長版を作り、広く見てもらえるようになれば」と期待する。

【オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット】 ウォルト・ディズニーが1927~28年に製作した短編シリーズのキャラクター。契約上の争いで権利を失い、新たにミッキーマウスが生み出された。2006年に権利を再取得。今回の発見まで、シリーズ26本のうち7本が失われたとされていた。

■著作権曖昧「玩具映画」が流通

 今回の発見の背景には、劇場公開を終えたフィルムが日本では「玩具映画」として盛んに販売されていたことがあるようだ。

 玩具映画は、大正時代から昭和40年頃まで、ブリキ製の手回し映写機とセットでさまざまなメーカーから販売された。長さも値段に応じていろいろで、「スピーデー」も広告を見ると、30秒と50秒のほか、100秒のバージョンも販売されている。

 「戦前は映画の著作権が曖昧で、業者が入手したフィルムが再プリントされ、いろんなメーカーから出ていた」と、玩具映画に詳しい映像文化史研究家・松本夏樹さん(66)=堺市。「スピーデー」の玩具映画は、松本さんのコレクションにも含まれ、インターネットオークションにも出品履歴がある。幻のフィルムは、今後も出現する可能性を秘めている。(田中真治)

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