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ライブで観客を盛り上げるSHINGO★西成さん(佐々木翼さん撮影)
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ライブで観客を盛り上げるSHINGO★西成さん(佐々木翼さん撮影)
東日本大震災でも被災地に駆け付け、炊き出しを手伝った(本人提供)
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東日本大震災でも被災地に駆け付け、炊き出しを手伝った(本人提供)

 SHINGO★西成(本名・池上真悟)さん(46)は、日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区のあいりん地区(通称・釜ケ崎)で生まれ育った歌手、ラッパーだ。簡易宿泊所が立ち並ぶ街での体験を下地にしたリアルな歌詞。まっすぐで力強い歌声-。全国の若者の共感を集める活動の根っこには、1995年の阪神・淡路大震災のボランティア経験がある。(石川 翠)

 SHINGOさんは、釜ケ崎にある築100年ほどの長屋で生まれ育った。簡易宿泊所は目と鼻の先。血気盛んな労働者同士のトラブルや、冬は凍死者も出る現実を目の当たりにしてきた。

 そんな故郷を表現した歌詞がある。

 焼酎やワンカップビン溢(あふ)れる 数以上にな 人があぶれる カブれる腕 掻(か)きながら 隠れる 酒屋のそばにチン電のレール 受け渡しする目印は電柱 つまらん喧嘩(けんか)はしょっちゅう(「ILL西成BLUES」より)

 偏った見方をされることも多い釜ケ崎だが、困った時には手を差し伸べ合う人情味あふれる一面もあった。当たり前のように根付く「助け合いの精神」。SHINGOさんは24年前、その大切さを再確認した。

     ◆

 「街の温度がどんどん下がっていく」。車窓に流れる倒壊した街並みを見て、そう思ったという。

 就職を控えた大学4年の冬に起こった阪神・淡路大震災。「『これまでお世話になったり迷惑かけたりした人への恩返しのときが今やで』ってオカンに言われて」被災地に入った。

 西宮市の友人宅に水や食料を届け、その足で神戸市長田区に向かい、炊き出しを手伝った。「目の前に困っている人がいる。やるべきこともたくさんある」。入社前の研修を欠席し、就職が白紙になってもボランティアを続けた。

 バカにしない けなさない キレない 人は1人じゃ生きていけない、やろ?!/困ったときには助け合い なしは味気ない しわよせof現代(「諸先輩方からのお言葉」より)

 卒業後、福祉関係の会社に勤めたが、中学生の頃から好きだったヒップホップ音楽への情熱がこみ上げる。見聞きし、感じたことを飾らない言葉で表現できるラップ。「一回きりの人生、やりたいことやれ」。釜ケ崎の“おっちゃん”の言葉に背中を押され、30歳で音楽の道に踏み出した。

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 どんなことがあろうといつもそばにいるよ 「アセラズクサラズアキラメズ」 ここからいまからやればいい 始めればいい(「ここから…いまから」より)

 力強く、それでいて寄り添うような優しさがにじむ。SHINGOさんの歌詞の特長だ。

 2011年、東日本大震災が発生すると、ライブの合間を縫って現地へ。阪神・淡路と同じように炊き出しを手伝い、その後もチャリティーライブを続ける。

 「私たちは、人と人のつながりがあって生きてる。当たり前のことが、当たり前じゃなくなってる世の中。自分は歌で伝えていくしかない」

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