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ヴィッセル神戸のグッズ売店前にできた行列。キャッシュレス決済で混雑緩和を図る=2018年11月、神戸市兵庫区御崎町1
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ヴィッセル神戸のグッズ売店前にできた行列。キャッシュレス決済で混雑緩和を図る=2018年11月、神戸市兵庫区御崎町1

 現金を持たないスポーツ観戦が一気に拡大するか。Jリーグ1部(J1)のヴィッセル神戸が全国に先駆けてノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)への導入を決めた完全キャッシュレス化。普及が遅れる現状を受け、政府は2025年に現在のほぼ2倍に当たる40%まで決済率を引き上げる目標を打ち出す。スタジアムでの混雑緩和などが期待され、専門家は「多くの人が集まる競技で導入されれば社会に広がるきっかけになる」とする一方、大規模な通信障害への対策も求められる。

 昨年11月24日、パナソニックスタジアム吹田(大阪府吹田市)。ガンバ大阪のホーム最終戦に訪れた約1万5千人の観客に小型のICカードが装着されたリストバンドが配られた。チケットの代わりに座席情報が記録され、事前に入金すれば買い物にも使えた。

 東京五輪・パラリンピックがある20年までの実用化に向け、パナソニックなどと共同で実施したチケット販売大手「ぴあ」によると、スタジアムへの入場や、トイレで離席した際の再入場の効率化が目的の一つ。ガンバ大阪サポーターの男性(21)=神戸市中央区=も「通常はスタッフに紙を見せないと席に戻れないが、楽になった」と効果を実感していた。

 元スペイン代表イニエスタ選手の加入効果でチケットの完売が続いたJ1神戸の目標も混雑緩和だ。神戸大大学院の森井昌克教授(60)=情報通信工学=は「短時間で大勢の人をさばくにはキャッシュレス化が一番適している。電車の切符が(ICカード乗車券で)自動化したのと同じ」とし、万単位の人が訪れるスタジアムへの導入は普及の足掛かりになりうるとみる。

 経済産業省が15年に調べた現金以外の比率は18・4%で、韓国の89・1%、中国の60%を大幅に下回った。市民生活への浸透を図ることで、訪日外国人客の消費増のほか、買い物客の購入記録を活用した新サービスの創出が見込まれ、J1神戸の親会社楽天やLINE(ライン)などがキャッシュレス決済事業に相次いで参入している。

 一方、個人情報の保護や通信障害への対応が課題として指摘されている。昨年12月にあったソフトバンクの大規模通信障害では、人気バンド「GLAY」の公演で本人確認のためのQRコードがスマートフォンに表示されず、混乱した。

 森井教授は「利用者もデメリットとして考えておく必要があり、事業者には通信障害を補う仕組みづくりが求められる」と話している。(有島弘記)

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