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スポーツ愛好者を対象にした「ハニカムソックス」。特殊な編み方で機能性を向上させた=加古川市志方町上冨木
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スポーツ愛好者を対象にした「ハニカムソックス」。特殊な編み方で機能性を向上させた=加古川市志方町上冨木
収縮性の異なる糸を組み合わせて六角形の編み目を作る=加古川市志方町上冨木
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収縮性の異なる糸を組み合わせて六角形の編み目を作る=加古川市志方町上冨木

 安価な海外製品に押される兵庫県加古川市の靴下製造業者が信州大学と共同研究し、スポーツ愛好者向けの高機能ソックスを開発した。筋力をサポートする独自の編み方を導入することで疲れにくくし、地面を蹴る力を増強。加古川市在住の陸上元五輪代表の小林祐梨子さん(30)が監修した。(津田和納)

 創業30年の加古川市志方町上冨木の「ユニバル」。昨年12月に販売を始めた「ハニカムソックス」は、直径1センチ程度の六角形の編み目を足首や土踏まずの部分に組み入れるのが特長だ。収縮性の異なる糸を組み合わせることで、足の動きに合わせて滑らかに伸び縮み。足首を補強し、土踏まずのアーチも引き上げる。六角形の編み目の一つ一つが筋肉を締め付け、テーピングと同じ効果が得られるという。

 同社は元々、スポーツメーカーからの受注製造などを担ってきたが、海外製品の流入で生産量は年々減少。国内業者の靴下生産量は10年前と比べて31%減る一方、スポーツ用の生産量は10年前より21%増えており、代表取締役の横山裕司さん(52)は「差別化を図り、品質や機能性の高い靴下作りに転換した。健康志向の高まりで需要はある」と自信をのぞかせる。

 2014年から信州大繊維学部と共同研究。17年秋の信州大学マラソンでランナーに着用して走ってもらい効果を検証した。また、同大陸上部の学生が協力し、センサーで疲労度や効果的な圧力などを数値化。足首に強めに加圧すると、足関節が安定することが分かった。同社研究開発部の広瀬吉彦さん(62)は「体の重心が安定し、疲労しにくくなる。土踏まずのアーチ構造を保つデザインにすると、着地時に地面を蹴る力が増すことも分かった」と話す。

 商品監修の小林祐梨子さんはデザインや素材について助言し、靴下と併用するサポーター作りにも関わる。新商品の靴下とサポーターは、同社のブランド「IDATEN(イダテン)」の看板商品に位置付けられた。横山さんは「地場産業者のプライドをかけて作った。ランニングやウオーキングのお供にしてほしい。いずれは、アスリートがこぞってはきたがる商品にしたい」と意気込んでいる。

 ハニカムソックスは1296円、サポーターは3024円。インターネットで販売している。ユニバルTEL079・452・2861

【国内生産量 70年代の13%】兵庫県靴下工業組合(高砂市)によると、1979年の組合員数は加古川市を中心に306社。現在は62社にまで減った。各企業が、地場産業復活を狙って独自商品の開発に力を入れている。

 都道府県別の靴下生産量を見ると、兵庫は国内の4分の1を占める。業界内では奈良、東京とともに三大生産地と呼ばれる。中でも加古川市は江戸時代から木綿栽培が盛んで、明治期に現在の中国・上海から編み機が伝わったことで製造が増え、昭和初期からアジアに輸出。49年には兵庫の生産量が日本一になった。

 だが、80年代後半から安価な海外製商品が流入し、国内生産量は激減。最盛期の70年代の13%にまで落ち込んでいる。厳しい状況の中、県内の靴下製造業者らはさまざまな工夫を凝らす。

 創業67年の千代田繊維工業(加古川市)は、シルクを使った「冷えとり靴下」を女性向けに販売。神戸国際会館(神戸市中央区)の商業施設「SOL(ソル)」に、「千代治のくつ下」として出店し人気を集める。また、綿花の普及に取り組む会社「かこっとん」(加古川市)は、農薬不使用の綿花を使った肌に優しい靴下を販売。1足5400円の高級商品だが、同社の鷲尾吉正社長(60)は「エコな生産方法や品質の高さが支持され、東京を中心に需要がある。セレクトショップなどで販売していきたい」と話す。

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