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診察室の映像を介して遠隔で通訳する「多言語センターFACIL」のベトナム人スタッフ=2018年10月、神戸市(画像の一部を加工しています)
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診察室の映像を介して遠隔で通訳する「多言語センターFACIL」のベトナム人スタッフ=2018年10月、神戸市(画像の一部を加工しています)

 地域づくりに挑む団体を支援しようと神戸新聞など地方新聞46紙と共同通信が設けた「第9回地域再生大賞」の各賞が26日決まった。大賞(副賞100万円)は、通訳などの活動で外国人と地域をつなぐNPO「多言語センターFACIL(ファシル)」(神戸市長田区)に贈呈。準大賞(同30万円)は農村活性化に挑む「きらりよしじまネットワーク」(山形)と、離島で介護事業を行う「いけま福祉支援センター」(沖縄)に決まった。第9回となる地域再生大賞で、兵庫県の団体が大賞を受賞するのは初めて。

 都市の企業と連携し耕作放棄地で農業を行う「えがおつなげて」(山梨)は、特設の選考委員長賞(副賞20万円)に決定。地元の魚で離乳食を開発した「ディーグリーン」(三重)と、長期欠席の子どもを支える「翼学園(旧えひめ心のつばさ)」(愛媛)は、いずれも特設の奨励賞(同20万円)に選ばれた。2月8日に都内で表彰式を行う。

 大賞に選ばれた神戸市のNPO「多言語センターFACIL(ファシル)」は、自治体や医療機関、企業などと連携し、さまざまな情報を翻訳したり通訳を派遣したりして、日本在住の外国人への支援に取り組む。これまでボランティアが多かった、地域での翻訳や通訳の業務をコミュニティービジネスとして展開し、外国にルーツのある人たちに仕事や社会参加の場を提供する取り組みは、選考委員に高く評価された。

 24年前の阪神・淡路大震災で大きな被害に見舞われた神戸市長田区の「たかとりコミュニティセンター」に拠点を置く。出発点は、もちろん震災だ。日本語に不自由な外国人被災者向けに、FM放送などを通して多言語の避難情報を届けた。

 ファシルに登録する通訳・翻訳者は約1200人で、約60の言語に対応する。防災マップのほか、就学通知など各地の行政情報を幅広く多言語化する取り組みにも、企画段階から携わる。20年の実績と当事者ならではの気配りで、情報の受け取り手に寄り添った提案ができるのが強みだ。

 近年、ニーズが高まっているのが医療通訳だ。診察がスムーズに進み、患者側だけでなく病院側もメリットが大きい。ファシルでは地域の拠点病院と通訳派遣の協定を結び、連携を強める。

 通訳を介して外国人の患者に説明するうちに、医師の言葉遣いが日本人の患者に対しても分かりやすい、理解しやすいものになっているという。「多言語の環境を整え、やさしい日本語で情報を伝えることは、お年寄りや子どもたちにも喜ばれる」と吉富志津代理事長。

 「言葉の壁に配慮することは社会の寛容度を高め、成熟させる大きな種になる」とも。多文化共生は住民が暮らしやすい地域づくりにつながる。

【地域再生大賞】人口減少など厳しい環境をはね返し地域活性化に挑む団体を、地方新聞と共同通信のネットワークで取り上げ、エールを送ろうと、2010年度に設けた。各紙が都道府県ごとに原則1団体、計50団体を推薦、専門家でつくる選考委員会が審査する。特産品づくりや高齢者支援など活動分野はさまざま。19年度の第10回で表彰団体は計500になる。

■主な受賞団体

 ▽ブロック賞 北海道・東北=八戸市中心街市民集団まちぐみ(青森県八戸市)関東・甲信越=那須まちづくり株式会社(栃木県那須町)東海・北陸=志民連いちのみや(愛知県一宮市)近畿=大野木長寿村まちづくり会(滋賀県米原市)中国・四国=UNOICHI実行委員会(岡山県玉野市)九州・沖縄=下郷村(大分県中津市)

 ▽特別賞 札幌大学ウレシパクラブ(札幌市)川西郷の駅(広島県三次市)

     ◇

 インターネットのニュースサイト「47NEWS」に「地域再生大賞」のページを設けています。第9回の受賞団体を詳しく紹介しているほか、第8回までの受賞団体の活動内容も掲載しています。

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