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料亭旅館・大和の「由良」の間=兵庫県丹波市氷上町石生
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料亭旅館・大和の「由良」の間=兵庫県丹波市氷上町石生
水分れ橋にあるオブジェ「MIWAKARE」(撮影・大山伸一郎)
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水分れ橋にあるオブジェ「MIWAKARE」(撮影・大山伸一郎)
高低差を感じない水分れの地。写真中央の川沿いが分水界で、もしも海面が100メートル上昇したら、ここに本州を二分する海峡ができる(小型無線機で撮影・藤家 武)
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高低差を感じない水分れの地。写真中央の川沿いが分水界で、もしも海面が100メートル上昇したら、ここに本州を二分する海峡ができる(小型無線機で撮影・藤家 武)

 「加古」と「由良」。

 あ、「艦これ」(艦隊これくしょん)、と思ったファンの皆さん、すいません。今回はそっちの話ではありません。何かというと、「大和」の話です。

 …艦これじゃねえか、という声が聞こえてきそうですが、大和は兵庫県丹波市氷上町石生(いそう)にある料亭旅館で、ここの1階の部屋が「加古」と「由良」。もちろん、播磨を通って瀬戸内海へ流れる加古川と、京丹後を通って日本海へ流れる由良川が由来ですから、艦の由来と一緒です。

 旅館の前の川に架かるのが「水分(みわか)れ橋」で、橋のたもとにオブジェがあります。これだけ見ると「何コレ?」でしょうが、名前の通り、ここは降り注いだ雨水が南と北に分かれるところ。それぞれが加古川と由良川に注ぐ「中央分水界」なのです。

 だけど、オブジェのように水を分かつ「てっぺん」はどこに? 現地に行っても不思議に思うでしょう。なにしろ石生の分水界は標高100メートル前後。本州で最も低いのです(最高は乗鞍岳の3026メートル)。

 高低差が少ないと、移動もしやすい。加古川と由良川を結ぶ低地帯「氷上回廊」には七日市遺跡があり、旧石器時代にはナウマンゾウとそれを狩るヒトが通り、弥生時代には讃岐から淡路や播磨を通って運ばれるサヌカイト製石器の流通センターとなったと考えられています。江戸時代には加古川舟運があり、由良川との「通船計画」もありました。

 石生には、国道175号と176号が交わる「水分れ交差点」があります。大和旅館の余田さん夫妻に聞くと、高速網が整う平成までは、車は「必ずここの交差点を通って、播磨や丹後や但馬に行ってた」。林業が盛んで、かつては牛の市が開かれ、全国から買い付けに来ていたし、珪石(けいせき)の採石場があり、石生駅まで引き込み線もあったそうです。

 七日市遺跡の出土品と氷上回廊という「道」を結びつける発想も、国道をひっきりなしに通る大型トラックからだったと、発掘担当者は言います。

 今は、舞鶴若狭自動車道や北近畿豊岡自動車道から春日インターチェンジで下りれば楽々なので、艦これファンも、そうでない方も、ぜひ一度、水分れへ。ただし、「水分れ資料館」は今年リニューアル予定なので、一時休館にご注意を。

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