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施設内のカフェの休業を知らせる張り紙=淡路市育波、養護老人ホーム「北淡荘」
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施設内のカフェの休業を知らせる張り紙=淡路市育波、養護老人ホーム「北淡荘」

 7人が亡くなった兵庫県淡路市の養護老人ホーム「北淡荘」でのインフルエンザ集団感染問題は、28日で発覚から1週間。今季のインフルエンザ流行は過去最悪レベルとなっており、北淡荘では約2週間で計74人が感染した。この間、施設内ではいったい何があったのか。兵庫県や施設の関係者の証言から感染拡大の経緯を追った。(篠原拓真、前川茂之)

■異常な事態

 最初の発症者は施設職員の看護師だった。1月8日に体調不良を訴え、施設は出勤停止を指示。同時に、入所者が利用するデイサービスも休止した。

 だが、翌9日には職員1人と入所者5人が新たに発症。施設は感染症対策委員会を開き、発症した入所者を個室に隔離した。食事も個室で提供し、ほかの入所者には部屋から出ないよう張り紙で指示。面会も原則禁止とした。

 10日、感染はさらに広がる。入所者7人と職員2人が発症。そして11日、感染した99歳の女性が脱水症状を起こし死亡する。新たな発症者も13人確認。「これまでのインフルエンザと違い、感染力が強すぎる。異常な事態だと思った」。山田正司施設長は同日、県洲本健康福祉事務所に事態を報告した。

■2階に集中

 同事務所の立ち入り調査を受け、施設は11日にまだ発症していない職員に抗インフル薬を予防投与した。一方で入所者への予防投薬は行わず、12日に新たな発症は20人へ拡大した。

 県の再指導を受け、施設が入所者への予防投薬に踏み切ったのは1週間後の19日。その後、感染拡大は収束に向かった。

 患者は重度の要介護者らが入る2階のフロアに集中した。84人のうち約7割に当たる58人が感染し、亡くなった7人も全員が2階の入所者だった。フロアでは介護職員や看護師らが感染者と非感染者の部屋を行き来していたといい、山田施設長は「手袋やマスク、消毒を徹底したつもりだが、職員が媒介した可能性は否定できない」と振り返る。

■背景に人手不足

 抵抗力が弱い高齢者が暮らす施設で感染症が拡大しやすいことは、かねて指摘されてきた。一定の対策が取られる中、感染が広がった背景に、福祉現場の人手不足を指摘する声もある。

 約70人が暮らす神戸市内のホームでは、感染者に対応する職員を固定し、他の入所者とは接触させないという。開設から約10年、感染拡大を封じてきたが、女性施設長は「感染者が出た時の人のやりくりにはいつも苦労する」と漏らす。

 国は施設が提供するサービス内容などに応じて職員の配置基準を定めている。施設側の判断でこれを上回る配置もできるが、人件費の面でも介護人材確保の面でも難しいのが実情だ。

 「集団感染が起きてしまえば、対応は後手に回る。人繰りが厳しくても初期段階で抑え込むしかない」。女性施設長は自らに言い聞かせるように話した。

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