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ヤミ専従問題の処分を発表する会見で、頭を下げる岡口憲義副市長(中央)ら=6日午後、神戸市役所(撮影・吉田敦史)
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ヤミ専従問題の処分を発表する会見で、頭を下げる岡口憲義副市長(中央)ら=6日午後、神戸市役所(撮影・吉田敦史)

 市役所内では常識だった「ヤミ専従」は、なぜか最高幹部らの耳には入らなかった。神戸市で過去最多の73人が懲戒処分された組合役員のヤミ専従問題。記者会見に臨んだ岡口憲義副市長は、過去に人事課係長としてヤミ専従を黙認していたことを認めた。だが、約10年前に社会問題化した後も続いていたことに「大変驚いた。神戸市も改善されていたと思っていた」とし、知らなかったとの立場を崩さなかった。一方で「うみを出し切らなくてはならない」と強調し、深々と頭を下げた。(霍見真一郎)

 会見場にはテレビカメラが並び、記者ら約40人が集まった。久元喜造市長は東京出張のため記者会見に出ず、コメントが紙で配られた。遠藤卓男行財政局長らと席についた岡口副市長は「行財政局、人事当局の大きな責任。このような大量の懲戒処分者が出たことを心から反省する」と神妙な顔つきで語った。

 岡口副市長は「人事課係長をしていた頃にはヤミ専従を黙認していたのか」と問われ、「当時はそう捉えられても仕方ない」と認めた。しかし約10年前、全国でヤミ専従が問題となり、条例改正されると「神戸でも改善されたと思っていた」と話し、問題発覚の際には「大変驚き、反省した」とした。

 ただ市役所内では、ヤミ専従が常識となっていたことも認める。「極めて長期にわたって、市役所で組合役員は席にいないものという認識がまん延していた。問題の根深さが法令順守の意識を上回っていたと捉えざるをえない」。にもかかわらず、現最高幹部らは知らなかったという主張を繰り返し「市長、副市長が認識していなかった事実は、それ自体大きな問題」と位置付けた。

 市は、今回の処分について、参考とした農林水産省や大阪市などの事例と比べても「それらを上回る厳しい処分」と評価する。そして給与過払いの約1億7600万円については「法的手段も含めて断固たる決意で全額を返還してもらう」とした。

 記者からは、再発防止への覚悟をただす質問が相次いだ。「ヤミ専従について疑問を持っていた職員がいたにもかかわらず、その声をくみ上げられなかった」とし、庁内の風通しを良くする組織改正を実施するという。岡口副市長は「二度とこのようなことが起きないよう、市長以下全力で取り組む。法令の範囲内であるべき健全な労使関係を改めて構築していきたい」と硬い表情で語った。

■国や自治体、過去にも大量処分

 官公庁の職員でつくる労働組合のヤミ専従問題を巡っては、過去にも自治体や国の中央省庁で明らかになるたび、職員の大量処分が行われてきた。

 大阪市では2005年、組合役員が勤務中に上部団体の業務などに当たっていたことが明らかになり、事実上の処分を含めて約240人が処分された。

 最も重かったのは、人事担当部署幹部や組合役員に対しての減給で、停職はなかった。市は組合役員に不正に支給した給与約2800万円の返還を求めた。当時の市長は給与30%カット、助役3人は10%カットをそれぞれ1カ月行った。

 規模が大きかったのは2009年に発覚した農林水産省。常習的にヤミ専従をしていた職員約200人を停職などの懲戒処分とし、管理監督責任を問われた上司に対する訓告などを含めると、約1200人が処分対象者となった。不正は全国の地方農政事務所に広がり、返還を求めた給与総額は最終的に約27億円に上った。

 農水省のケースでは、ヤミ専従を隠すために関係文書の改ざんも行われており、関わった職員たちは減給となった。(若林幹夫)

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