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シーボルトが持ち帰った「金唐革紙」と図柄などが同じ革生地を手にする林久良さん=姫路市花田町
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シーボルトが持ち帰った「金唐革紙」と図柄などが同じ革生地を手にする林久良さん=姫路市花田町

 江戸後期にオランダ商館医として来日し、日本の美術品や工芸品を数多くオランダに持ち帰ったシーボルト。その一つで、同国の博物館に所蔵されている「金唐革(きんからかわ)紙」という装飾工芸品が兵庫県姫路産とみられることを、元中学教師で皮革史研究家の林久良さん(70)=姫路市=がつきとめた。同時期に姫路で作られた物と図柄や大きさが同じ革生地を国内で発見。林さんは「姫路の職人技の高さを象徴する逸品がシーボルトの目に留まった。伝統技術の魅力発信に生かしてほしい」と提案する。(宮本万里子)

 「金唐革」とは宮殿などの壁に使われた皮革工芸品で、日本では和紙を素材とした代用品「金唐革紙」が生まれた。林さんによると、シーボルトが滞在した当時、姫路では革と紙でそれぞれ装飾品などが作られていたという。

 江戸参府紀行などの記録によると、シーボルトは1820年代に日本に滞在。動植物の標本、絵画、工芸品などを多く買い求め、現在、オランダ・ライデン国立民族学博物館に所蔵されている。姫路産とみられることが分かったのは、同館所蔵の和紙製の「金唐革紙」で、コイが天に昇っていくように波間を泳ぐ姿が描かれている。

 林さんは東京の古物店でこの作品と同じ図柄の革生地を発見、購入した。縦30・8センチ、横23センチ、厚さ0・8ミリで、図柄が型押しで表現され、黒、金、赤、緑の漆(うるし)で着色。なめした革の裏面の色が白いなどの特徴から姫路産と特定した。当時、この革生地はかばんなどを作るための高級特注品だったとみられる。

 林さんは、同館のコレクション展が日本で開かれた際の図録でシーボルトの金唐革紙を確認し、同じ型であることが分かった。

 姫路を中心とした播磨地域の皮革産業は平安時代の発祥とされ、千年以上の歴史を持つ。室町時代は武具に用いられ、特に加工技術の「なめし」は国内外で高い評価を受けてきた。東京で見つけた革生地も約200年を経ているが、変色などの劣化はほとんどなく、図柄も鮮明。林さんは「技術が高い証し」と話す。

 姫路産の革とシーボルトとの関連品はこれまでに箱や袋が確認されている程度だという。林さんは「シーボルトの購入品として地元の工芸品を地域おこしに生かした町もある。姫路でも皮革文化の盛り上げにつながれば」と期待を込めた。

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