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匠の技の継承に向け、データを収集する工学研究科のスタッフ=姫路市書写、兵庫県立大大学院(撮影・小林良多)
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匠の技の継承に向け、データを収集する工学研究科のスタッフ=姫路市書写、兵庫県立大大学院(撮影・小林良多)
金属を研磨する際の力加減などを測定する=姫路市書写、兵庫県立大大学院(撮影・小林良多)
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金属を研磨する際の力加減などを測定する=姫路市書写、兵庫県立大大学院(撮影・小林良多)

 「背中を見て学べ」という考え方が当然とされてきた製造業現場での熟練技術の伝承。団塊の世代の大量退職で労働人口が減り、生産力の低下が不安視される中、兵庫県立大学は高度な技能をデータ化し、効率的な体得につなげるノウハウを構築した。足りない能力をグラフなどで分かりやすく示すことで、上達の速度が上がることを実証。人材育成は「待ったなし」の状態が続いており、同大は「広く活用したい」と意気込む。(宮本万里子)

 同大大学院工学研究科高度生産加工技術研究センター(兵庫県姫路市書写)の「匠(たくみ)の技プロジェクト」。2016~18年度、金属などを磨く「研磨」と工作機械などの表面を削る「きさげ」の技術を対象に取り組んだ。

 両技術とも機械に取り付けたセンサーなどで、作業時の力の強さや加え方を測定し、できた製品の質をコンピューターで解析。結果をグラフ化し、熟練者と初心者の特徴を比較した。

 例えば研磨では、熟練者は圧力を加える速度がゆっくりと安定し、グラフが台形のような形を描くのに対し、初心者は力の強弱の変化が激しいため頂点がとがった山形のようなグラフになった。両方を見比べることで学生は正解をイメージしやすく、短期間で熟練者のグラフに近い作業ができるようになったという。

 同研究科修士課程の布施太雅さん(24)はグラフを見ながら作業を繰り返した結果、数日で熟練者の形に近づけた。「熟練者の技をいくら隣で見ても何をどうすればうまくできるか分からないが、グラフを意識すると力加減がしやすかった」と振り返る。

 担当した同大学院の鳥塚史郎教授(材料強度学)は「日本の製造業は世界トップクラス。『匠の技』が支えているからだ」と説明。一方で「『背中を見る』方法だと理屈で技術を理解しにくく、習得には時間がかかる」と指摘する。

 今回のプロジェクトについて「職人の技をデータ化することが有効だと分かった」と手応えを強調。「労働力不足の解消は待ったなし。学会で発信するなどし、現場での実用、応用を広げたい」と話す。

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