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組合加盟店を対象にした古書の入札会=神戸市中央区北長狭通6
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組合加盟店を対象にした古書の入札会=神戸市中央区北長狭通6
貴重な戦前の目録などを手にする尾内純さん=神戸市中央区北長狭通6
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貴重な戦前の目録などを手にする尾内純さん=神戸市中央区北長狭通6
古書店の“顔”ともいえる値札ラベル。時代を感じさせる表記やデザインも多い=神戸市中央区北長狭通6
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古書店の“顔”ともいえる値札ラベル。時代を感じさせる表記やデザインも多い=神戸市中央区北長狭通6

 兵庫県内の古書店でつくる県古書籍商業協同組合が、設立100年を記念し、ゆかりの品集めに乗り出した。すでに閉店した店も含め、各店独自の在庫目録や値札ラベルなどを保存し、広く公開することも目指す。新刊を扱う「街の本屋さん」の閉店が相次ぐ中、古書店業界は、若い人がカフェを併設した店を持つなど、復調の兆しもある。この機を捉え、「本だけでなく、古書店文化も次代に引き継ぎたい」としている。(段 貴則)

 「ベテランの古書店主でも知らない店の資料が見つかったり、戦前の目録も寄せられたりしている」

 神戸・元町の組合事務所に集められた資料は現在、約200~300点。収集を担当する神戸市灘区の古書店「口笛文庫」の店主、尾内純さん(42)も驚く。

 目録は、各店が主に新入庫品を記して顧客らに郵送し、注文を募った冊子。神戸・三宮の朝倉書店が1937(昭和12)年に発行した目録の表紙には「明治大正文藝珍書特輯(とくしゅう)」とある。ページをめくると、兵庫県福崎町出身の民俗学の泰斗、柳田国男の著作も並ぶ。宮崎県の山村での狩猟伝承を記した「後狩詞記(のちのかりことばのき)」には「稀本 明治42年刊」「『松島君に贈る 柳田國男』と署名あり」など、顧客の買い気を誘う文言が添えてある。

 各店の“顔”ともいえる値札ラベルも目を引く。「クリヤ書店 神戸新開地本通リ 相生座半丁下ル」など、時代を感じさせる表記やデザインのものが多い。

 資料集めを始めたきっかけは、組合設立100年。設立は1918年ごろとされ、東京や京都、大阪と並び、全国でも歴史のある団体という。

 組合加盟店に呼び掛け、古い値札ラベルや販促用チラシ、目録、店舗写真、新聞記事などを幅広く募っている。「店主の誰もが本を次代に残そうという意識を持っているが、いざ自身の店となると、店の写真や資料があまりなくて…」と尾内さん。さらに資料を集めるため、顧客への協力呼び掛けも検討するという。

 大型店の進出や個人間売買の拡大など、近年、古書店を取り巻く環境の変化はめまぐるしい。尾内さんは「経験豊かで、業界の歴史を知る店主らの話も聞き、意識して古書店文化を残す必要がある。資料収集を通じ、古書店が地域で果たした役割にも目を向けたい」と話している。

 同組合TEL078・341・1569

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