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過去最長となった裁判員裁判の経験を振り返った2人の女性=姫路市内
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過去最長となった裁判員裁判の経験を振り返った2人の女性=姫路市内

 昨年4~11月、実審理期間が過去最長の207日を数えた裁判員裁判が、神戸地裁姫路支部で行われた。裁判員候補者の辞退が続出したこの裁判に、判決まで参加した元裁判員の女性2人が21日、神戸新聞社の取材に応じた。仕事を辞めたり、仕事の時間を夜に替えたりしたという2人は「時間に自由がある人しか参加できず、裁判員の構成に職業の偏りが出る」と懸念を語った。(谷川直生)

 この裁判では、男性3人を殺害したなどとして殺人や逮捕監禁致死などの罪に問われた男に無期懲役の判決が言い渡された。取材に応じたのは、いずれも姫路市に住む派遣社員の50代女性と塾講師の60代女性。

 当初、2人は「207日の間に数回の公判が開かれる」と思っていたが、選任手続き時に初めて、100日以上に参加しなければならないと知ったという。派遣社員の女性は別の派遣先で働いていたが、裁判に専念するため仕事を辞めた。塾講師の女性は、夕方の授業は受け持たず、午後6時以降のみにしてもらった。

 この裁判では、通知を受け取った裁判員候補者の9割以上が辞退し、当初の裁判員6人のうち3人が公判開始約1カ月で辞任した。居住地からの移動時間の長さを理由に辞退した人もいたといい、塾講師の女性は「いまの状況では、市内など近くに住む人ばかりになってしまう」と話した。

 組織犯罪に絡んだ事件だったことで、家族からは辞退を勧める声も出た。派遣社員の女性は「裁判が生活の一部になる中、事件の生々しい経過に触れ続け、日々が苦しかった」と振り返った。塾講師の女性は「証人や傍聴人に顔を覚えられ、危害を加えられるのではないかと、周囲から心配された」と語った。

 ただ、2人は「多様な立場の人が参加して意見を出し合うことで、柔軟な判断につながる」と意義を強調。「裁判に臨む環境を整え、多くの人が参加できる制度にしてほしい」と訴えた。

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