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手のひらの向きでチームを分ける「うらおもて」=神戸市内
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手のひらの向きでチームを分ける「うらおもて」=神戸市内
「うらおもて」を紹介した2007年11月の記事
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「うらおもて」を紹介した2007年11月の記事

 ドッジボールなどの遊びでチーム分けする際、じゃんけんのグーとパー(グッパ)ではなく、神戸には手のひらの向きで決める「うらおもて」という珍しい風習がある-。そんな記事を書いたのは、2007年11月のこと。当時新婚だった私も3児の父となり、上の2人は神戸の小学生。そういや、君たちはうらおもてやってんの? 先日ふと2人に尋ねてみると「一体そりゃ何」と取り付く島もない。11年余りの時を経て、「『うらおもて』神戸ではもう絶滅している説」を検証する。(黒川裕生)

 最初にうらおもてのやり方を復習しておこう。遊びの参加者が輪になって向き合い、全員が片手を突き出して「うーらら、おーもーて」と独特の節回しで言いながら、手の甲と手のひらを交互に上に向けてヒラヒラと動かす。最後の「て」のところでどちらかを上にして止め、向きが同じ者同士がチームを組む、というものだ(07年11月14日付朝刊より)。

 当時の取材では、兵庫県内では神戸のほか、北播地域の一部も「うらおもて文化圏」であることを確認。さらに、東北や九州出身の読者から「自分もしていた」との声が寄せられた。

 記事は07年時点で神戸からうらおもてが消えつつあることを匂わせて終わっている。「グッパの方が分かりやすい」「上級生から継承されていない」などの理由を挙げていたが、とうとう完全に消滅した…?

     ◇

 今の神戸の小学生は、本当にうらおもてを知らないのか。今月中旬、社会見学で神戸新聞社を訪れた名倉小学校(神戸市長田区)の5年生45人に尋ねると、6人が「聞いたことはある」。しかし、日常的に友人とやっている児童はいなかった。同市西区出身で「うらおもて派」の西海淳博教諭(43)は「そういえば、児童がやっているのは見たことないかも」と話す。

 子どもがいる同級生や妻のママ友、教育現場で働く高校の先輩や母親ら、あらゆるつてをたどったが、ほとんどがグッパで、うらおもてをしているとの報告は皆無。学童保育で1~5年生約80人を預かる原田児童館(同市灘区)の支援員玉川直子さんも「10年近くここで働いているが、見たことがない」と証言する。

     ◇

 「神戸特有の文化が、いつの間にか見られなくなっていくということには寂しさを感じますね」。11年前にも取材した「mottoひょうご」事務局長の栗木剛さん(59)はそう話す。「中高年の飲み会の場や、懐かしい同窓会の席など、思い出の中にだけほそぼそと残っていくのかも」と栗木さん。「グッパにはないうらおもて独特の哀愁は、そんな酒場の隅に似合っている気がします」

 さよなら、うらおもて。今までありがとう…。

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