総合 総合 sougou

  • 印刷
事故に備え、海上保安署と水難救済会との訓練も行われている=2017年6月、豊岡市竹野町竹野
拡大
事故に備え、海上保安署と水難救済会との訓練も行われている=2017年6月、豊岡市竹野町竹野
「非常投浮」で海中に転落した釣り人を救助した藤平進さん=兵庫県香美町香住区若松
拡大
「非常投浮」で海中に転落した釣り人を救助した藤平進さん=兵庫県香美町香住区若松
但馬漁協に設置された自動販売機。売り上げの一部が青い羽根募金に寄付される=兵庫県香美町香住区若松
拡大
但馬漁協に設置された自動販売機。売り上げの一部が青い羽根募金に寄付される=兵庫県香美町香住区若松
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 海上で事故が発生すれば、出動するのはまず海上保安庁(海保)。だが、島国日本の海域は広大で、公的機関だけでは手薄なエリアもある。津々浦々で海難救助を支えるボランティア組織があるのをご存じだろうか。漁業関係者らでつくる「水難救済会」が、日夜活動している。沿岸に点在する利点を生かし「救助員」として事故現場に駆け付ける。だが、人命に関わる貴重な活動も、その認知度は低い。知名度不足が影響し、活動に充てられる寄付が集まらず、厳しい状況が続いている。(鈴木雅之、金海隆至)

 「助け上げることができ、ほんまによかった」

 昨年8月26日早朝、兵庫県北部、香美町の岩場で、釣り人の男性(25)が転落。助けたのは定置網漁船の船長藤平進さん(64)=同町=だった。

 香住海上保安署が香住救難所に出動を要請。漁を終え帰港途中だった藤平さんが急行した。同保安署の巡視艇も同じころに到着したが、藤平さんが漁網用の浮きにロープを取り付けた救命具「非常投浮(とうふ)」を投げ、乗組員と一緒に助け上げた。

 一刻を争う事態での対応に、同保安署も信頼を寄せる。「機動力や地元の海に関する知識は大きな頼り」

     ■

 日本水難救済会(東京)によると、海に面した道府県に40の水難救済会がある。救助員には漁業関係者が多く登録し、各地の漁協などが救難所になっている。県内では淡路、但馬、阪神に12カ所あり、救助員は近年横ばいの約430人。

 海保が現場到着に時間を要する場合、最寄りの救難所に依頼する。活動の主な財源は「青い羽根募金」。一年を通して募られ、特に7、8月は全国で運動が繰り広げられる。寄付は、救難所に配備するライフジャケットやロープ、自動体外式除細動器(AED)などの救助備品の購入や救助船の燃料に充てられる。

 だが、水難救済会も青い羽根共同募金も、知名度不足は否めない。藤平さんが所属する香住救難所は事故に備え、油の除去剤や消防兼排水ポンプなどの補充を県水難救済会に要請しているが、資金難から色よい返事はないという。事務局を担う但馬漁協の駒居慧一さん(33)は「救助活動は、漁師たちの善意と漁具で成り立っているのが現状」と話す。

 さらに、打撃となったのが香美町の遊覧船「かすみ丸」が2016年に営業を終えたことだ。運営会社から毎年受けていた30万円近くの寄付がなくなり、17年度の県水難救済会への寄付額は、前年度から約7割減の約30万円に落ち込んだ。

 県水難救済会は但馬と淡路で、売り上げの一部が青い羽根募金に寄付される自動販売機を計5台設置。かすみ丸がなくなった今、自販機による募金は資金確保のほぼ唯一の柱となったが、同会事務局を務める県災害対策課の担当者は「認知度の低さも影響し、なかなか設置が進まない」と明かす。

 同課は、自販機の設置や青い羽根共同募金の趣旨に賛同する事業者を募っている。県水難救済会事務局・県災害対策課TEL078・362・9988

【水難救済会】日本水難救済会によると、2018年3月末時点で、全国に救難所や支所は計約1300カ所。救助員は計約5万人に上り、約8割が漁業関係者。17年は282件の出動があり、275人が救助された。

総合の最新
もっと見る

天気(4月26日)

  • 24℃
  • ---℃
  • 50%

  • 15℃
  • ---℃
  • 80%

  • 22℃
  • ---℃
  • 60%

  • 22℃
  • ---℃
  • 80%

お知らせ