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大正建築の特徴を色濃く反映した旧網干銀行本店=姫路市網干区新在家
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大正建築の特徴を色濃く反映した旧網干銀行本店=姫路市網干区新在家
建物内に残る当時の金庫室
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建物内に残る当時の金庫室
神戸新聞NEXT
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 かつて水運の要衝として栄えた兵庫県姫路市網干区にひっそりと残る大正期の洋風建築「旧網干銀行本店」が今夏にも、新たなオーナーの手でレストランとして生まれ変わる。きっかけは建物の価値に注目した京都大大学院生による情報発信だった。これを縁に、姫路市と京都大が手を結び、網干地域における歴史的建築物の調査に乗り出すことになった。(小林良多)

 姫路市史によると、れんが造り2階建ての旧網干銀行本店は1922(大正11)年ごろ完成した。19世紀末にドイツなどで起きた芸術運動ゼツェッション(分離派)が設計に影響を与えたとされ、伝統と革新の融合が特長。特に銅板ぶき屋根が覆う塔のような北西角の部分が個性を放つ。

 網干銀行は30年に三十八銀行に買収され、36年には神戸銀行(現三井住友銀行)と合併。建物は70年から洋装店として使われたが、2015年に閉店し、使われなくなっていた。

 昨年4月、網干区出身で、京都大大学院で景観設計学を研究する河北咲良(さくら)さん(24)が建物の現状を会員制交流サイト(SNS)で発信。関心を持った会社役員鵜鷹(うたか)司さん(57)=同市白浜町=が現地を訪ね、建物の存在感に心動かされた。「収益が見込めなくても地域の未来のために保存の道を探りたい」と取得を決めた。

 新オーナー決定を聞き、河北さんが所属する研究室の山口敬太准教授(38)=姫路市出身=も協力を申し出た。建物の評価を依頼された京都工芸繊維大の清水重敦教授(48)=建築史=は「れんがの壁と窓を交互に配して縦のラインを強調するなど、にぎやかな装飾が大正期の自由な気風を映す。外観だけでなく内部も当初の状態が残っていて価値が高い」と指摘する。

 1階の金庫室や執務室は銀行時代のまま。吹き抜けだった営業室は壁や天井が改装されているが、内側には建設当時の姿が残されていた。「地域の方々と連携して歴史を生かしたまちづくりを盛り上げたい」と話す鵜鷹さんは、歴史的建築物の保存・活用を図る「ひょうごヘリテージ機構」とも連携。市民が再生に関わるワークショップを開きながらレストラン開業への準備を始めている。

 姫路市もこの動きを「地域活性化の好機」と注目。網干地域に数多く残る歴史的建造物の保存に向け、京都大に委託する調査費200万円を19年度当初予算案に計上した。建物の所有者らに対し、保存の意思や後継者の有無などを確認するという。

 山口准教授は「網干地域にはまちづくりの資源となる建物が多い。揖保川水系の中での役割など街のストーリーに広がりがあり、ブランド化を進めやすいはず」としている。

【旧網干銀行本店周辺】姫路市西端、揖保川河口に面する網干区南部は、古くから瀬戸内海や揖保川を行き来する物産が集まり、商業地として栄えた。江戸時代には龍野藩領、丸亀藩領、幕府の天領が混在。復元された丸亀藩の陣屋跡や、寺院、網干銀行頭取山本真蔵の邸宅など歴史的建造物が数多く残っている。

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