総合 総合 sougou

  • 印刷
専門店「リカちゃんキャッスルのちいさなクローゼット神戸三宮」の開店セレモニーであいさつする近藤洋之社長。神戸との縁にも触れた=2月28日、神戸市中央区磯上通5(撮影・斎藤雅志)
拡大
専門店「リカちゃんキャッスルのちいさなクローゼット神戸三宮」の開店セレモニーであいさつする近藤洋之社長。神戸との縁にも触れた=2月28日、神戸市中央区磯上通5(撮影・斎藤雅志)
関西初出店となったリカちゃん人形専門店の店内=2月28日、神戸市中央区磯上通5(撮影・斎藤雅志)
拡大
関西初出店となったリカちゃん人形専門店の店内=2月28日、神戸市中央区磯上通5(撮影・斎藤雅志)

 東日本大震災で被災した福島県の会社が1日、神戸・三宮にリカちゃん人形の専門店をオープンさせた。8年前、東京電力福島第1原発事故の風評被害にあえいでいた時、最初に手を差し伸べてくれたのが神戸。だから、関西1号店は神戸と決めていた。ようやくかなえた“恩返し”の出店に、近藤洋之社長(54)は目を潤ませる。「今度は私たちが、リカちゃんを通して神戸に笑顔を届けたい」(中務庸子)

 福島県小野町でリカちゃん人形をテーマにした施設「リカちゃんキャッスル」を展開するリトルファクトリー。施設では国産と手作りにこだわったリカちゃんの製造現場を紹介し、人形遊びも楽しめる。タカラトミー(東京)の前身タカラの子会社が、創業者の出身地、福島県にある工場を改装して1993年に開業。リトルファクトリーは2006年、同施設が分離独立して誕生した。

 11年3月11日、同社は震度6弱の揺れに襲われた。施設3階の天井が落ち、壁に亀裂が入り、棚が倒れて商品が散乱。客はおらず、従業員も無事だったが、翌日に福島第1原発の事故が明らかに。同社は原発から直線距離で約38キロ。避難区域外だったが、従業員の安全も考慮してその日から休業した。

 1カ月半後に営業を再開。しかし県外からの客足は止まり、入館者ゼロの日も珍しくなかった。「来てもらえないなら売りに行く」。もともと全国で定期開催していた催事販売の再開を打ち出したが、障害があった。会場により数万~数十万円かかる出展費用を捻出するのも厳しい状態になっていた。

 過去に出展したことのある全国の会場に電話やファクスで費用の減免を依頼したが、軒並み断られた。そんな時、神戸ファッションマート(神戸市東灘区)から、減額に応じるとの電話が入った。

 「つらいことばかりだった中、光が見えた瞬間だった」と近藤社長。11年秋、催事販売を神戸で実施した。その後も13年まで、春と秋の催事で費用減額は続いた。

 震災から8年。リカちゃんキャッスルは次第に客足が戻り、現在では震災前より多い年間10万人超が訪れるように。14年には東京に直営店を初出店するなど経営状況も回復した。

 近藤社長は「あの時、神戸が助けてくれたから頑張れた。やっとそのお礼ができる」と神戸出店を心から喜ぶ。

 神戸ファッションマートの担当の女性(57)は、同社からのファクスを見て、すぐに上司に決裁を仰いだ当時のことを覚えている。上司も即決してくれたと振り返り、こう話した。

 「困ったときはお互いさま。それは阪神・淡路大震災で神戸のみんなが学んだことだから」

総合の最新
もっと見る

天気(3月22日)

  • 15℃
  • 12℃
  • 10%

  • 11℃
  • 9℃
  • 30%

  • 15℃
  • 12℃
  • 10%

  • 14℃
  • 11℃
  • 20%

お知らせ