総合 総合 sougou

  • 印刷
「看取りの家」の予定地周辺に張られたチラシ=神戸市須磨区
拡大
「看取りの家」の予定地周辺に張られたチラシ=神戸市須磨区
「文化や歴史など地域の特性への理解も重要」と話す松本京子理事長=神戸市長田区雲雀ケ丘2
拡大
「文化や歴史など地域の特性への理解も重要」と話す松本京子理事長=神戸市長田区雲雀ケ丘2

 余命の限られた患者が住居をシェアし、介護や看護を受けながら過ごす「ホームホスピス」の計画を巡り、全国で近隣住民の反対運動が相次いでいる。神戸市須磨区で計画されている類似施設の「看取(みと)りの家」も住民の反対に遭い、開設のめどは立たない。病院や高齢者施設への受け入れを拒まれた終末期患者らの「受け皿」としてニーズは高いが、「死」を連想し拒否感を示す住民は多い。反対運動を経験したホームホスピスの関係者は「住民への配慮が欠かせない」と指摘する。(貝原加奈)

 看取りの家を計画する事業者は、同区内の空き家を購入し、2018年10月に事業概要を自治会関係者に説明。しかし、住民側は「死を身近に見たくない」などとして開設に反対している。事業者側は住民説明会を提案しているが、住民側は応じていない。

 看取りの家と同様、開設時に住民に反対されたホームホスピスが同市内にある。09年2月に全国で2番目に開設した「神戸なごみの家」(神戸市長田区)。空き家を購入して改装計画を立てた後、住民側に伝えると猛反対に遭った。自治会全戸の反対署名を提示され、住民説明会を開いても「いらない」と言われた。

 運営するNPO法人の松本京子理事長(66)は「家さえあれば始められると思ったのは浅はかだった」と振り返る。住民側に「みとりの家をつくりたい」と説明したというが、「地域の人がどう受け止めるか配慮が足りなかった」。住民感情が収まるまで半年近く計画を延期し、開設にこぎ着けた。

 「2階の窓を開けないで」「出入りが見えないよう塀を立ててほしい」-。地域の要望にはできるだけ応じ、周辺の清掃活動にも積極的に参加。施設でのイベントは、住民にも参加を呼び掛けた。近年は、地域住民が入居を希望するケースもあるという。

 11年に福岡県久留米市で開設されたホームホスピス「たんがくの家」は当初、別の市で計画されていた。しかし、近隣住民が「縁起が悪い」などと反対したため断念し、現在の場所に変更。そこでは反対はなかったという。

 運営するNPO法人の樋口千恵子理事長(64)は「地元の理解があれば、ホームホスピスは地域の大切な資源になれる。『最期をどのように迎えたいか』を考えるきっかけにしてもらえる」と力を込める。

 11年に姫路市で開設した「ひなたの家」も、住民の反対の声は寄せられなかったという。「3方向が田んぼや川に囲まれた立地も関係しているかもしれない」と、運営するNPO法人の金居久美子理事長(56)。副理事長の自宅に開設したこともあり、「顔なじみから応援してもらいやすかった」と説明する。

 「全国ホームホスピス協会」(宮崎県)は「ホスピスケアの目的は、住む人の苦痛を取り、命ある限り生きようと思ってもらうこと。それを分かってもらえるまで、地域の人たちの感情に歩み寄ることが大切」としている。

総合の最新
もっと見る

天気(8月24日)

  • 30℃
  • ---℃
  • 30%

  • 32℃
  • ---℃
  • 30%

  • 31℃
  • ---℃
  • 30%

  • 32℃
  • ---℃
  • 30%

お知らせ