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 過去4回あった議員選挙で、無投票が2度もあった議会がある。

 旧3町(香住、美方、村岡)が合併し、2005年に誕生した兵庫県香美町。1度目は、合併後4年間の町政の評価が問われるはずの町議選だった。定数を20から4減らしたが、立候補者は定数を上回らなかった。

 「誰も政策を論じず、自動的に議員が選ばれるのはおかしい。住民が選択する大切な機会が失われた」。信任を得ずに当選した町議西川誠一(63)=4期=は複雑な思いで受け止めた。

 前回17年の選挙には17人が立候補を準備していた。しかし、新人1人が直前に取りやめ、そのまま時間切れになった。

 「議会はどうせ何もできないと住民から見放されている」。2度の無投票を突き付けられ、各議員は重い腰を上げつつある。

 議員同士で議論する機会を増やし、分かりやすい議会を目指す。「議員の仕事を認めてもらえば、なり手も出てくる」と西川。淡い期待は実を結ぶのか。

     ◆

 人口減少と高齢化が進む過疎地を中心に議員の後継者が見つからず、選挙での無投票が増えている。

 前回15年の統一地方選では、全国の町村議会のうち約2割が無投票。人口千人未満の自治体(17町村)に限ると6割を超えた。

 県内の直近の無投票は香美町のほか、17年の多可町議選(定数14)。13年の西脇市議選(同16)と10年の洲本市議選(同18)、09年の福崎町議選(同16)は、定数を4~2減らしても選挙にならなかった。

 人口減や高齢化だけが要因ではない。共同通信が昨年6~8月、各議長に実施したアンケートでは、県内のほぼ半数に当たる20市町が議員のなり手不足を「感じる」「どちらかといえば感じる」と答えた。

 その理由は「政治への無関心、待遇(議員報酬)の低さ」(西脇市)、「議員の魅力が弱くなり、議会への関心が薄れてきている」(太子町)などだった。

 議員のなり手不足は、地方議会が直面する課題を浮き彫りにしている。

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 人口約400人の高知県大川村議会(定数6)が2年前、議会を廃止して有権者全員で審議する「村総会」設置の検討を表明し、全国に危機感が広がった。

 村は今月4日、議員が兼業できる範囲を示す条例を制定。村と請負関係にある法人役員らが立候補する際の足かせになっている制限の緩和に踏み出した。動きは村民の関心を呼び、4月の町議選は無投票を回避できる見通しだ。

 兵庫県内にも兼業制限の緩和に期待の声がある。

 「地域のリーダーは自治体から業務を請け負う団体の幹部が多い。現状では活動をやめないと立候補できない」。議員の平均年齢69・9歳の市川町の議長、津田義和(66)が強調する。夏の町議選に向け、40、50代の数人に立候補を求めたが、一人も応じなかった。

 ただ、大川村のように議会が自主的に制度を見直すまでの議論はない。「議員は専業であるべきという反対論もまだ根強くある」

 住民も巻き込んで議論し、関心を高めて本来の地方自治を取り戻す。それがなり手不足を解消する一歩になる。=敬称略=

     ◇

 統一地方選前半の告示が迫る。議会特有の流儀を見つめる特集「ギカイズム」(昨年9月~今年2月の6回掲載)を踏まえ、議会の意義と役割を問い直す。(統一選取材班)

「ギカイズム 近くて遠い議場の論理」はこちら

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