総合 総合 sougou

  • 印刷

 定数10。岡山県境の山あいにある兵庫県上郡町の議会は、2017年7月の改選で議員数を2人減らし、県内最少となった。

 「議員が率先して経費削減に取り組むことで、財政状況の厳しい町に強く改革を促そうとした」

 同年3月の議会定例会で、定数削減の条例改正案を提起した元町議大政正明(83)が振り返る。「地方議会はなり手不足だが、誰でも議員になれる状況は望ましくない。定数を減らせばそれも解決できると思った」

 ただ、断行した削減は思わぬ事態を招いた。分野ごとに二つの常任委員会(5人)に別れて議論するが、委員長を除けば4人。議員2人の意見が一致すれば半数となり、そのまま議論は低調になりかねない。

 当時、改正案に拙速と反対し、採決に加わらなかった町議、井口勝智(46)は今も疑問に思う。「こんな少人数の議論で、町全体のことを考えられるのか。減らすだけでは解決しない」

 政務活動費のない議会は昨年、町と申し合わせ、議員が指定の研修に出向く際の旅費支給を始めた。少数精鋭を目指すなら、議員のレベルアップは欠かせないとの危機感がある。

     ◆

 地方議会の議員数は、人口減少に伴う「平成の大合併」や自治体の財政難、議員の厚遇批判を受けて減少の一途をたどる。

 特に町村議会で定数削減は著しい。全国平均は07年7月に14・1人だったが、10年後は12・1人に減少。上郡のように定数10以下の議会は、14年7月の316から3年で27増えた。

 神戸新聞社の調べでは、県内の市町議会では、大合併前の1998年末に計1780だった定数は、20年後の昨年11月時点で871に半減。今回の統一選でも太子町が1減らす。

 県議会はこの20年間で定数を92から87に削減。4月の県議選で、養父市と朝来市の両選挙区を合区して86に減らす。合区後の面積は淡路島の約1・4倍の826平方キロ。最大だった豊岡市選挙区の約1・2倍だ。

 地域の声を吸い上げ、行政に反映する仕組みが弱体化しつつある。「住民には諦めに近い感情しかない」。この地を知る議員が嘆く。

     ◆

 議会改革の旗印にもされる定数削減は、議会に対する住民の関心をそぐ危険性もはらむ。

 過去4回の改選ごとに定数を4~1ずつ減らした高砂市議会。投票率は4回前(06年)の市議選に比べ、昨年は46・46%と20ポイント以上低下し、下落幅は県内で突出した。議会事務局の担当者は「顔が分かる地域の候補者がいなくなり、投票所に足が向かなかったのでは」と推測する。

 都市部ではさらに加速している。15年の統一選であった西宮市議選の投票率は36・27%で、直近の県内自治体の議員選挙で唯一、4割を切った。定数41に60人が乱立したにもかかわらず、盛り上がらなかった。

 「明確な課題が少なく、市民に議会の必要性が感じられなくなっているのかも」。4月に改選を控える50代の市議はその理由に思いを巡らす。

 求められる議会の姿とは。選挙による民意は答えを導き出せるのか。=敬称略=(統一選取材班)

=おわり=

「ギカイズム 近くて遠い議場の論理」はこちら

総合の最新
もっと見る

天気(7月18日)

  • 30℃
  • ---℃
  • 70%

  • 30℃
  • ---℃
  • 70%

  • 31℃
  • ---℃
  • 60%

  • 31℃
  • ---℃
  • 80%

お知らせ