22日付で着任した兵庫県警の加藤晃久本部長(56)が県警本部で記者会見し、「兵庫は暴力団情勢において非常に重要な県。阪神・淡路大震災の経験から震災への対策も進んでいる。良いところをますます発揮できるよう努めたい」と抱負を語った。
最も重視する課題には、三つの山口組による対立抗争が相次ぐ暴力団対策を挙げた。加藤本部長は、抗争事件の発生阻止に加え、暴力団の弱体化、壊滅を図るため「暴力団追放兵庫県民センターとの連携や改正暴力団排除条例の活用など総合的な対策を進めたい」と力を込めた。
また、高齢者が高い割合を占める交通死亡事故の抑止も「喫緊の課題」に掲げ、「児童虐待、人身安全事案など弱者を対象にした身近な犯罪防止も対策強化が必要」と話した。
大阪市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合やラグビーワールドカップなど大規模な行事が続くため、全国の警察との連携を強める姿勢も示した。
加藤本部長は東京都出身。愛知県警刑事部長や高知県警本部長などを歴任し、今年3月まで警察大学校国際警察センター所長を務めた。(岡西篤志)
