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「地方からの文化発信」に意欲を示す松本隆(撮影・吉田敦史)
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「地方からの文化発信」に意欲を示す松本隆(撮影・吉田敦史)

 松田聖子、太田裕美、少年隊といった歴代アイドルから、大滝詠一、南佳孝ら実力派の名曲まで、幅広い分野に作品を提供してきた作詞家の松本隆が、関西での活動に力を入れている。神戸に住居を移して7年。地元アーティストらとの交流を深め、地方からの文化発信を目指す。東京一極集中の音楽界に新たな風を吹き込んでいる。(津谷治英)

 2月、ラジオ関西の番組に出演し、風情ある店が多い神戸が気に入ったと話した。「喫茶店が好きで、昔風の店によく行きます。神戸のお店の人は気さくですね。『風邪をひいてない?』『食事をしっかりとってる?』とか心配してくれる。東京では、そんな雰囲気が少なくなった」と語った。

 「昔は東京に行かないと仕事がないと、若い人が東京を目指した時代があった。でも地方にも素晴らしい文化や人材がある」。神戸に住んで気付いたことも多いという。

 そんな中で生まれたのが、4月5日に神戸で開くライブ「松本隆の世界~風街神戸」。地元アーティストが松本作品を歌い、自らもコメントをする予定だ。「若い人がチャンスをつかめる機会になれば」とエールを送る。

 1970年代、細野晴臣、大滝詠一、鈴木茂と結成した伝説のロックバンド「はっぴいえんど」で活躍、ドラムを担当した。文学青年だった松本に、細野が作詞も依頼したのが詞を書くきっかけとなった。洋楽を日本語にアレンジするなど先駆的な試みにも挑戦。そんな中で文化の多様性に着眼した。

 「アメリカもニューヨークだけじゃない。ロサンゼルス、ラスベガスと各地に音楽の拠点があり、活躍する歌手がいる。日本も東京だけじゃダメだと思う」と持論を話す。

 作詞家を本業としてからは2千曲以上を残した。81年に日本レコード大賞に輝き、自らも作詞賞に選ばれた寺尾聰(あきら)の「ルビーの指環(ゆびわ)」をはじめ、数々のヒット曲を手がけた。

 近年、松本を特集するテレビ番組、イベントなどが増え、他の歌手が松本作品をカバーする機会が増えた。ある時、東京で男性アーティストが「赤いスイートピー」を熱唱したことがあった。「正直驚いた」と打ち明ける。

 歌手をイメージして作詞することが多く、特に松田聖子にはこだわりがあった。曲を発表する時より1歳上の松田聖子を意識して創作してきたのだ。そうして、アイドルから大人の女性になっていく姿を描いてきた。だが男性の声を通じて、今までとは違う「赤いスイートピー」に出合った。「自分も知らなかった魅力を教えてくれ、新鮮だった」

 会場には5千人の観衆が詰めかけていたこともあり、「高揚しましたね。同じ曲でも聴く人によって、それぞれに違う思い出がある。でもその曲を聴いた時代は共有できるから、一つの曲で多くの人が一体になれる。音楽の普遍性を肌で感じました」と話す。

 京都では横笛奏者・藤舎貴生とコラボし、古典の創作に取り組む。

 「この前、娘が神戸に会いに来てくれて、一緒に食事をしたんです。『おいしい』って喜んでくれた。やっぱり神戸にしかない、いいものがある。これからもこの地で新たな世界に挑戦したい」。

(注)「松本隆の世界~風街神戸」のチケットは完売

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