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2013年ごろ、高周波処理機で畳のダニを駆除する西宮市職員。市民や事業者から畳の持ち込みがなくなり、事業を終了する=西宮市西宮浜3(同市提供)
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2013年ごろ、高周波処理機で畳のダニを駆除する西宮市職員。市民や事業者から畳の持ち込みがなくなり、事業を終了する=西宮市西宮浜3(同市提供)
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 兵庫県西宮市は、全国的にも珍しかった畳のダニを退治するサービスを3月末で終了する。ダニを駆除する機械を使い、事業を始めた1989(平成元)年度は年間約2500枚の畳を引き受けたが、2017年度以降は利用がなかった。この間、木板を用いたフローリング床が普及して和室が減り、自然素材ではない畳も登場。需要がなくなり、平成に30年間続いた事業は役割を終える。(初鹿野俊)

 西宮市が使っているのは高周波処理機。電子レンジと同じ原理で約70度の熱を発生させ、畳に潜むダニなどを死滅させる。全日本畳事業協同組合(東京都)によると、自治体がダニ退治をする事業は「全国でも聞いたことがない」という。

 西宮市がダニ退治を事業化した背景には、害虫被害に対する市民意識の高まりがあった。昭和50年代から全国で原因不明のかゆみを訴える声が上がり、同市も地方独立行政法人「大阪健康安全基盤研究所」(大阪市)の前身機関と調査。その結果、住宅内のダニなどが要因だと突き止めた。

 そこで西宮市は、約2千万円を投じて高周波処理機を導入。1枚700円(市外在住者は1300円)で、市民や事業者が持ち込んだ畳のダニを退治した。初年度は2498枚の利用があり、研修を積んだ職員が市民に畳の掃除方法も教えた。

 しかし、初年度をピークに利用は右肩下がりを続けた。2016年度の37件を最後に利用がなく、17年度はゼロ。18年度も申し込みはない。

 その理由を「害虫が発生しにくい新しい畳が増えたからだろう」とみるのは、西宮畳商工業組合の古田功一組合長(79)。昔は芯にわらを用いた畳が主流だったが、マンションが増えた30~40年前から、湿度に強く、ダニなどが発生しにくい化学材の畳が増えたという。

 安価になり、軽量化も進み、古田さんは「高齢化する畳の業者からしても、軽い方が作業が楽で広まった」と話す。全日本畳事業協同組合の担当者は「フローリングの普及で畳の需要も減っている」とみる。

 西宮市はサービスを終了し、高周波処理機も処分されるが、担当職員は「平成に始まり、偶然終わりも重なった。役目を終えるが、どこか寂しい」と話す。

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