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亀裂が入った新幹線の台車枠。製造段階の溶接時に生じた「割れ」が起点と推定された(JR西日本提供)
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亀裂が入った新幹線の台車枠。製造段階の溶接時に生じた「割れ」が起点と推定された(JR西日本提供)
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運輸安全委が調査報告書で示した亀裂発生箇所
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運輸安全委が調査報告書で示した亀裂発生箇所

 2017年12月、JR西日本の新幹線が台車に破断寸前の亀裂が入った状態で走行を続けた問題で、国の運輸安全委員会は28日、調査報告書を公表した。17年4月から問題発生までの約8カ月に、JR西が異音のあった新幹線に車両保守担当を乗車させて点検した割合はわずか4%で、JR東海の81%を大幅に下回っていたことを明らかにし、JR西では終着駅まで走行させた後に点検することが「恒常化していた」と指摘。危機意識が薄く、運行を優先させる体質が浮き彫りになり、「迷ったら止める」判断の徹底を強く求めた。

 亀裂の原因は、製造した川崎重工業(神戸市中央区)の溶接作業で生じた「割れ」から始まった可能性があると結論付けた。

 報告書によると、17年4月1日~12月11日に、JR西の山陽新幹線区間では乗客や乗務員から計101件の異音の申告があった。このうち、保守担当が運行途中に乗車点検をしたのは4件(4%)だけだった。

 一方、JR東海は同じ期間の異音申告156件に対し、127件(81%)で乗車点検を実施した。委員会は、JR西が恒常的に終着駅まで走行して点検を行っていたと指摘し「安全最優先の意識に基づく行動の、一層の定着を進めることが重要」とした。

 また、JR西の規定が今回のような異音、異臭を想定せず、列車を止めて確認するルールが定められていなかったことも指摘し、見直しを求めた。

 数々の異変が確認されながら問題の新幹線が走り続けた一因としては、運行を管理する指令員が途中駅から乗り込んだ保守担当らに現場の状況を尋ねる際、運行継続を前提としたような「誘導的な言い回し」になっていた点を挙げた。

 具体的には「走行上問題ない感じで大丈夫か」「走行に支障がある感じではないですよね」との文言が用いられており、「深刻な報告を躊躇させる方向に影響を与えかねない」とした。指令員や保守担当、乗務員らが、危険性の判断を相互に依存していた点も指摘した。

 一方、亀裂の起点とされた「割れ」は、川重側が台車枠に部品を溶接する作業時に生じたと推定。さらに台車枠の鋼材を基準以上に削り、その寸法不足を埋める「肉盛溶接」と呼ばれる作業を広範囲に施したことが、亀裂の進展に関与したとの見方を示した。(今福寛子、竹本拓也)

【新幹線台車亀裂問題】 2017年12月11日、博多発東京行き「のぞみ34号」で、博多駅出発直後から乗務員らが異音や異臭に気付きながら運行を続けた。運行を引き継いだJR東海が名古屋駅で運休を決め、点検の結果、川崎重工業が07年に製造した台車枠に底面16センチ、両側面約14センチの「コ」の字形の亀裂が入り、破断寸前だったことが判明。国の運輸安全委員会が新幹線初の重大インシデントに認定した。JR西日本は18年2月に発表した安全計画で、「安全を確認できない場合は、迷わず止める」と明記した。

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