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テーブルに着き認知症の症状を和らげる薬を飲む母親に手を差し伸べるケアマネジャーの女性=神戸市灘区
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テーブルに着き認知症の症状を和らげる薬を飲む母親に手を差し伸べるケアマネジャーの女性=神戸市灘区

 少子高齢化で、両親や配偶者など複数の家族を一人で介護する「多重介護」が大きな課題となっている。国や自治体は在宅介護を支援しようとサービスの充実を目指すが、人手不足もあり十分に進んでいない。兵庫県議選、神戸市議選の投開票(7日)を前に、介護する家族らの声に耳を傾けた。

 神戸市灘区のケアマネジャーの女性(54)。認知症が進んだ母親(83)と、左半身まひで車いす生活の父親(86)に朝食をつくり、昼食も用意して仕事に行くのが日課だ。

 介護生活が始まったのは2年前。母親を介護する父親を支えようと、同じマンションに引っ越した。その半年後、父親が脳出血で左半身まひとなり、車いす生活を余儀なくされた。

 父親の入院中は、ほぼ一人で母親を介護。「私が誰か分からず『家に帰る』と騒ぎだしたり、『こんなもん食えるか』と食事を突っぱねたり」する現実にショックを受けた。現在、日中はデイサービスを利用し、家では父親と面倒を見る。「2人の施設入所も考えたが、経済的に厳しい」とケアマネジャーの女性。「将来が見通せない」と声を落とす。

 「日本ケアラー連盟」(東京)の調査によると、国内では介護者の25%が複数の家族を介護する。兵庫県はヘルパーらが高齢者宅を訪問し緊急時に備える補助事業に取り組むが、人手不足などが壁となり、3月末時点の助成先は56事業所と目標の約6割にとどまる。

 多重介護の対象は高齢者に限らない。加古川市の女性(59)は、夫と母親の介護を続ける。

 家に帰れない。迎えにきてほしい-。5年前、当時54歳だった夫からの電話に言葉を失った。病院での診断は軽度認知障害。やがて通勤や帰宅ができないことが増え、58歳で退職。そこから在宅介護が始まった。

 さらにほぼ同じ時期、母親も高齢で1人暮らしが困難になった。今はケアハウスで暮らすが、週に2、3日は身の回りの世話をするために施設へ通う。「現実を受け止めて前を向けるよう、行政は介護する側のケアも考えて」。多重介護を担う家族の思いは切実だ。(貝原加奈)

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