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明治の印刷見本集「花の栞」=丹波市柏原町柏原
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明治の印刷見本集「花の栞」=丹波市柏原町柏原
「花の栞」を見つけた菊本裕三さん=丹波市柏原町柏原
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「花の栞」を見つけた菊本裕三さん=丹波市柏原町柏原

 明治時代の印刷職人がえりすぐりの作品を寄せた全5巻の見本集「花の栞(しおり)」のうち、3冊(1、2、4巻)が兵庫県丹波市柏原町柏原の民家で見つかった。国内外の印刷物を収集、展示する印刷博物館(東京)の学芸員によると、高度な作品が集められていることから「印刷業界の万葉集」とも評され、「一般販売されておらず、発見は非常に珍しい」という。(真鍋 愛)

 見本集は業界の技術向上を目的に、東京にあった印刷会社「東京築地活版製造所」の3代目社長曲田成(まがたしげり)が、全国の同業者に呼び掛けて生まれた。第1巻は、1893(明治26)年に発刊され、寄稿した約100社に配られた。

 当時、日本の印刷業界には最新技術である活版印刷のほか、版画の手法としても知られる石版印刷、江戸時代に最盛期を迎えた木版印刷と、新旧の印刷法が混在していた。そこで、職人たちは最も得意な手法で文字や絵を印刷した作品を見本集に寄せ、腕を競ったという。

 1902(同35)年発刊の第4巻には「兵庫縣氷上郡柏原町 廣運舘活版所罫(けい)● 印刷職工廣澤三治」と署名が入った作品が掲載されている。廣運舘活版所は、かつて氷上郡柏原町(現丹波市柏原町)内にあった活版所で、1、2巻に掲載された作品は白黒だが、4巻は赤、黄、緑などのカラー仕様に。玉手箱から飛び出す百人一首には「見本交換 我がわざは つたなき てとゝ去りながら」と書かれたものもあり、興味深い。

 同博物館の川井昌太郎学芸員(47)は作品について、「活版印刷した絵に手で彩色したか、当時すでに多色刷が可能だった石版印刷ではないか」と分析する。

 見本集を見つけたのは、柏原で印刷会社を営む菊本裕三さん(51)。5年前に他界した父英一さんの遺品整理中に発見したという。菊本さんは「職人の技術の高さや熱意が伝わる本。同業者として刺激を受ける」と話す。

(注)●は上部が「日」を除いた「書」。下部が「田」に、かんにょう ※文字コード7575

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