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防災と音楽をテーマにした神戸でのイベントで熱唱する進藤久明さん=6日、神戸市中央区小野浜町
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防災と音楽をテーマにした神戸でのイベントで熱唱する進藤久明さん=6日、神戸市中央区小野浜町

 熊本地震の被災地で、励ましの歌を届け続けている歌手がいる。熊本市に住む進藤久明さん(56)。3年前に自身も被災。打ちひしがれたが、自分の歌を必要としてくれる地元の人たちに背中を押され、再びマイクを握った。痛みを抱えた人に寄り添うような歌詞と軽快なメロディーから、地元では「励ましロック」と呼ばれて親しまれる存在。阪神・淡路大震災の被災地・神戸の音楽仲間からの刺激も原動力となっている。(金 旻革)

 同市出身の進藤さんはシンガー・ソングライターとして1986年にメジャーデビュー。15年ほど前からは地元に根を下ろして活動する。テレビやラジオ番組に出演するなど、熊本ではよく知られた存在だ。

 3年前の4月14日、自宅マンションで「前震」に見舞われた。石と石がこすれてきしむような音が響き、自宅は壁がひび割れて半壊。愛用のギターもことごとく壊れた。

 切れて垂れ下がった電線、人があふれ返る避難所…。バケツリレーなどを手伝う中で「俺に何ができるか」と考えあぐねた。そんな折、テレビから聞こえてきた歌に耳を疑った。

 ♪転んで立ち上がり 歩き直す…笑ってみようよ 道が見える 今日よりあしたはいいに決まってるから ガンバレガール マケルナボーイ

 震災前の2014年、高校生を応援する地元放送局のキャンペーンソングとして進藤さんが作詞・作曲した「あしたへ」。災害を意識して作った曲ではないが約3カ月間、毎日のようにちまたに流れた。「歌で被災者を励ますことが自分の役目」と誓った。

 避難所生活を続けながら、一つの曲を書き上げた。「ドンマイ4・14」。テンポのよい8拍子に、熊本弁で被災した心情を乗せた。

 ♪涙の栓も飛んでって 笑うしか無かごたね 大事なものは壊れたが 命はピカピカしとるばい

 寺や公民館、時には民家でも歌った。被災者からの「元気になるけん!」の言葉が胸に迫った。

 「生活苦から立ち直れない人は多い。支える人の輪がもっと広がらないと」。必要なのは助け合い。その思いは、神戸を拠点に活動する音楽ユニット「ブルームワークス」のボーカルで防災士資格を持つ石田裕之さん(38)と出会ったことで、一層強くなった。

 石田さんは11年の東日本大震災で被災した宮城県石巻市を約70回訪ね、被災者と交流を重ねる。石田さんの姿に、進藤さんは長期的な支援の大切さを学んだという。

 「被災地同士がつながることが前に進む力になる」と進藤さん。今月6日には、石田さんらが神戸市内で企画した防災と音楽がテーマのイベントに出演。「ドンマイ-」をはじめ6曲を熱唱し、観客に「遊びに行くのも支援。熊本に来て」と呼び掛けた。

 「音楽で被災地の懸け橋になりたい」との思いを胸に、これからも力強い歌声を響かせる。

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