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各地での講演を通じ、命の尊さを訴える「8・12連絡会」事務局長の美谷島邦子さん=2018年9月、神戸市中央区下山手通4
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各地での講演を通じ、命の尊さを訴える「8・12連絡会」事務局長の美谷島邦子さん=2018年9月、神戸市中央区下山手通4
モニュメントに名前を刻む意義について語る「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」の藤本真一代表理事=神戸市中央区加納町6
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モニュメントに名前を刻む意義について語る「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」の藤本真一代表理事=神戸市中央区加納町6

 乗客106人の命が奪われた2005年の尼崎JR脱線事故で、JR西日本が現場に整備した追悼施設「祈りの杜(もり)」(尼崎市久々知3)。犠牲者の名碑の表に名前があるのは68人で、全体の7割に満たない。一方、1985年の日航ジャンボ機墜落事故の慰霊施設には、亡くなった520人ほぼ全員の名が刻まれている。その遺族の一人は「年月を経て名前の追加を希望するケースもあった」という。(竹本拓也)

 「祈りの杜」は、脱線車両が激突したマンションをJR西が部分保存するなどし、事故13年後の18年秋に完成。名碑を巡っては遺族のさまざまな意向があり、名前を刻む▽刻まない▽内部の石板に刻み、事故発生の4月25日のみ公開▽石板に刻むが非公開-の4パターンに分かれた。JR西は内訳を公表していない。

 日航ジャンボ機墜落事故では、墜落現場の「御巣鷹(おすたか)の尾根」の麓にある追悼施設「慰霊の園」(群馬県上野村)に、516人の名前が記されている。

 次男健君=当時(9)=を失い、遺族らでつくる「8・12連絡会」の事務局長を務める美谷島(みやじま)邦子さん(72)は、慰霊登山などを通じて空の安全を訴えてきた。「私たちは家族が御巣鷹山に眠っているという思いを抱いている。地元住民など多くの人から祈っていただけることへのありがたさも感じる」と語る。

 死の事実を認める意味もあり、当初は現場に名前を残すことに抵抗を覚える人もいた。だが、時間とともに名前を追加する遺族も現れた。活動を通じ「遺族が一番怖いのは、忘れられること」と感じている。

 JR西が設置した名碑の在り方については「遺族の納得がいくまで話し合うことは非常に大切」と一定の理解を示し、「現場は追悼の場であるとともに、(加害)企業が安全を誓う場所。その社会的責任を決して忘れないでほしい」と強調した。

 阪神・淡路大震災の犠牲者名が並ぶ神戸・三宮の「慰霊と復興のモニュメント」。管理運営するNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯(あか)り」の藤本真一代表理事(34)は「銘板によって、多くの命が一瞬で奪われてしまった事実をリアリティーを持って受け止められる」と話す。

 現在、刻まれた名前は計5012人。銘板は毎年追加され、神戸市外の犠牲者や関連死にも対象が広がった。藤本さんは「震災の風化防止に果たす意義は大きい。私たちの活動の土台はここにある」と話す。

 91年の信楽高原鉄道事故(滋賀県甲賀市)の慰霊碑にも、亡くなった42人全員の名前がある。

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