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対談する江口寿史さん(右)と楠見清さん
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対談する江口寿史さん(右)と楠見清さん
江口さんのイラストとリキテンスタイン作品との関連を紹介したスライド=明石市立文化博物館
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江口さんのイラストとリキテンスタイン作品との関連を紹介したスライド=明石市立文化博物館
江口寿史さんのイラストとアンディ・ウォーホル作品を対比する画像資料=明石市立美術博物館
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江口寿史さんのイラストとアンディ・ウォーホル作品を対比する画像資料=明石市立美術博物館

 人気漫画「ストップ!!ひばりくん!」で有名な漫画家・江口寿史さんの漫画やイラストを美術史的に読み解くトークショーがこのほど、兵庫県明石市立文化博物館(同市上ノ丸)であった。同館で開催中の「江口寿史イラストレーション展 彼女」(19日まで)の関連イベントで、江口さん本人が登壇。首都大学東京准教授・楠見清さんと対談しながら、ポップでキュートな魅力あふれる自作品が、アンディー・ウォーホルら、米国のポップアートの作家たちから多大な影響を受けていることなどを明かした。

 楠見さんは美術誌などの元編集者で今回の展覧会を監修した。対談では、自らが手掛けた雑誌で、江口さんを「日本のコミックスにポップというセンスを与えた男」と呼んだことなどを回顧。自らも「少年時代、江口漫画を通じてポップアートやテクノポップ、ファッションのセンスを教えてもらった」と明かした。

 続いて、音楽とデザイン、アートについての評論をまとめた楠見さんの著書「ロックの美術館」の表紙絵を話題に。江口さんによる、カウガール姿でピストルを構えた少女のイラストで、展覧会会場にも並んでいる。

 表紙絵の元ネタは、米国のロック歌手、エルビス・プレスリーの写真を素材にしたウォーホルの版画「ダブル・エルビス」。ウォーホル作品には、エルビスが3人や8人いるバージョンもあり、「11人並んだものまである」と楠見さん。ポップアートではイメージが反復・複製され、オリジナルとは何かと問い掛けていることなどを説明した。

 さらにこの表紙絵の別バージョンでは、ウォーホルとともにポップアートを代表する画家ロイ・リキテンスタインの作品「ピストル」などが下敷きとなっていることを指摘。リキテンスタインは、漫画の1コマを画布に拡大し、印刷インクのドット(網点)まで描いたが、江口イラストでもドットを表現。短銃の絵柄はそのまま引用されている。 米国漫画がアートとなり、さらに江口作品となっていることに関して「サブカルチャーとアートとのバトンリレーが興味深い」と楠見さん。

 江口さんは、ウォーホルとリキテンスタインについて「大好き。いつまでたってもこの2人の絵は飽きない」と敬愛の念を語った。また、イラストを描くとき、身近な女性らにポーズしてもらうことが多いが、この表紙絵の制作時はモデル役がおらず、自身でポーズを取ったという裏話も披露。「これ、元は俺ですから。がっかりだよね」と会場の笑いを誘った。

 「描くときは理屈は考えない」としつつ、「ポップは現実の中のどこを切り取るかが重要」と持論を披露。「女性に生まれなかったのがくやしくてたまらない。それで描いてる。女に生まれてたらこうしてたという渇望感が60歳になってもまだ消えない」と、長年、女性をモチーフに描き続ける自らの創作の原点についても触れた。(堀井正純)

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