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道路環境改善取り組みの進捗状況などが報告された総会=アルカイックホール・ミニ
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道路環境改善取り組みの進捗状況などが報告された総会=アルカイックホール・ミニ

 兵庫県尼崎市の大気汚染による患者と支援者らでつくる「尼崎公害患者・家族の会」(松光子会長)は20日、会員の高齢化を理由に6月30日付で解散すると明らかにした。昨年末には、車の排ガス差し止め判決を勝ち取った尼崎公害訴訟の原告団が解散。患者らの支えとなってきた同会も役割を終えることで、尼崎の道路公害を問い、環境改善に尽力した主要な団体が姿を消すことになる。

 同会は尼崎の公害病認定患者らが1971年6月に設立。88年には会を母体とする483人の原告団が、国と阪神高速道路公団(現・阪神高速道路会社)などを相手取り、汚染物質の排出差し止めなどを求めて提訴した。2000年の一審判決は、排ガスの一部排出差し止めと健康被害への損害賠償を命じ、原告が勝訴した。

 同年の二審大阪高裁では、国などが国道43号の環境対策を講じる内容で和解。その後も同会は原告団とともに、阪神高速湾岸線への大型車の誘導や、国道43号で大型車を中央寄りの車線で走行させる「環境レーン」の実現を見届けた。

 同会の松光子会長(87)=尼崎市=によると、ピーク時は千世帯以上が会員に名を連ねたが、現在は約100人まで減少。数年前から解散の話が持ち上がっていたという。

 公害患者と住民の交流拠点だった施設「赤とんぼの里」(尼崎市大物町1)も6月末で閉鎖する予定。松さんは「やることは全てやってきたという思いと、疲れたという思いがある」と話している。(大盛周平)

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