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塩の釜焚きを体験する子どもたち=赤穂市御崎、市立海洋科学館・塩の国
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塩の釜焚きを体験する子どもたち=赤穂市御崎、市立海洋科学館・塩の国
日本遺産の認定を喜ぶ西村銀三町長(左)と浜坂高校の生徒=兵庫県新温泉町役場
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日本遺産の認定を喜ぶ西村銀三町長(左)と浜坂高校の生徒=兵庫県新温泉町役場

 文化庁が20日に認定した日本遺産に、兵庫県内から新規3件、追加1件が選ばれた。うち唯一、単独自治体として入ったのが、赤穂市の製塩をめぐるストーリーで、瀬戸内の穏やかな海が育んだ恵みと生業に光が当たった。また、香美町と新温泉町などで伝わる麒麟(きりん)獅子舞は、風雪に耐える暮らしに幸せを呼ぶ存在として評価され、3度目の申請で悲願を達成。先人の素朴な営みを世代を超えて受け継いできた住民らは、郷土をもり立てる機運を一層高めた。

■良質赤穂の塩PR成功

 「『日本第一』の塩を産したまち 播州赤穂」として新規認定された赤穂市。実は昨年、同市の坂越(さこし)の町並みなどが「北前船寄港地・船主集落」として追加認定された一方、製塩を巡るストーリーは認定を逃していた。同市は物語を再構成し、赤穂の塩が江戸時代の古文献に「日本第一」と記されていた点をアピール。瀬戸内海から生み出される塩と共に歩み、蓄積された歴史文化が息づくまち-との構成で念願をかなえた。

 「一報を聞き『えっー』と驚いた」。同市教育委員会市史編さん担当の小野真一課長(56)は、落選から1年で認定にこぎつけたことに喜びを隠せない。

 近世・近代の文献に当たる中で目についたのが、「赤穂塩日本第一也(なり)」の言葉だった。書き残したのは、江戸時代の画家で蘭学(らんがく)者の司馬江漢(こうかん)(1747~1818年)。品質の良さを示したとみられる。天明8(1788)年9月に赤穂を訪れた際、旅日記「江漢西遊日記」に記していた。

 市教委文化財係の中田宗伯(むねひろ)課長(53)は「事前に県教委や文化庁と協議し、赤穂の塩が評価された歴史を押し出してストーリーを再構成した」と説明した。

 構成文化財は国指定の赤穂城跡や「坂越の船祭」など41件。入浜(いりはま)塩田が広がっていた市南部を中心に広範囲に及ぶ。観光拡大に向けた期待は大きく、20日、記者会見した牟礼正稔(むれいまさとし)市長は「北前船寄港地と赤穂の塩のストーリーを地方創生の事業につなげ、交流人口を増やしたい」と意気込んだ。(坂本 勝)

■麒麟獅子3年かけ悲願

 新温泉町や香美町など1市6町が申請していた「日本海の風が生んだ絶景と秘境-幸せを呼ぶ霊獣・麒麟(きりん)が舞う大地『因幡(いなば)・但馬』」は、3年目の挑戦で念願の認定が決まった。

 中国の想像上の動物「麒麟」は太平の世の象徴といい、兵庫県内2町の計10地区や鳥取県東部の約180地区に伝わる伝統行事「麒麟獅子舞」は約370年前に始まったとされる。1市6町は「麒麟のまち」として以前から連携して活性化を進め、観光の柱や連携のシンボルとして日本遺産認定を目指していた。

 麒麟獅子舞を強調して初申請した2017年は「ストーリーに広がりがない。祭り以外で麒麟獅子舞を見る機会が少ない」などとして落選。18年からは地域の地形や行事などを構成文化財に加え、麒麟獅子舞との関連を軸にストーリーを練り直して申請していた。

 認定の連絡を受けた新温泉町役場では20日、地元・県立浜坂高校の麒麟獅子舞サークルで活動する生徒や町職員らを前に報告会を開催。西村銀三町長が概要を説明した後、生徒たちに「地域の大切なシンボルが日本遺産に認定された。しっかり後輩に引き継いでほしい」と呼び掛けた。(小日向務)

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