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神戸の自宅で育てるカイコを柿原さんに見せる健太郎君=丹波市春日町中山
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神戸の自宅で育てるカイコを柿原さんに見せる健太郎君=丹波市春日町中山

 兵庫県内唯一の養蚕農家、柿原啓志(ひろし)さん(83)=丹波市春日町=に、神戸市立井吹東小5年の新宅(しんたく)健太郎君(10)=神戸市西区=が“弟子入り”した。繭から絹糸を生み出す不思議に魅せられた健太郎君は、柿原さんから譲り受けたカイコの卵を自宅でふ化させ、飼育に挑戦中。丹波に通って指導を受ける健太郎君は「自分で育てたカイコから絹織物を作りたい」と夢を膨らませている。(真鍋 愛)

 「生き物が大好き」という健太郎君は4年前、自宅近くの公園で野生のカイコが作ったとみられる繭玉を発見。家へ持ち帰り、糸を引き出そうとした。試みは失敗したが、この出来事をきっかけに興味を持つようになった。昨年、旅行でタイを訪ねた折も、シルクを取り扱う店で、黄色の繭玉をゆでて糸を引く様子に夢中になった。

 「着物ってカイコの糸でできてるんだ!」「家でカイコを飼えるかな」。関心は高まるばかりで、母親の雅美さん(43)と県内の養蚕について調べ、柿原さんの存在を知った。

 意を決した健太郎君は、10連休明けに柿原さん宅に電話。不在だったが、めげずに「養蚕に興味があります」とファクスを送った。「卵を分けてあげるから家においで」。後日、柿原さんから連絡を受け、大喜びで丹波に出掛けた。

 健太郎君は、自宅の和室に図鑑や顕微鏡を持ち込んで飼育部屋に改装。「蚕棚(かいこだな)」は、新聞紙を敷いたA3サイズのプラスチックかごだ。餌は、市販の人工飼料の利用も検討したが「自然のクワの葉で育てたい」と、近所を探し歩いた。JAや神戸市役所などにも尋ね、近所の公園でクワの木を発見。公園を管轄する神戸土木事務所に許可をもらい、葉を採取した。

 熱心な研究のかいあって、カイコは約95頭ふ化し、2センチほどに成長。健太郎君は雅美さんとたびたび柿原さんを訪ね、アドバイスを受けている。「カイコがクワを食べないんです」と相談し、「与えているクワが堅いのかも」「離乳食みたいな、軟らかい葉を食べさせて」と教わった。

 柿原さんは「若い子が養蚕に興味を持ってくれてうれしい」と目を細める。そんな“師弟”を、地元の絹織物作家、原田雅代さん(50)=丹波市春日町=も応援し、ともに助言している。

 健太郎君は「カイコがどんどん大きくなってかわいい。自分で収穫した繭を使って、原田さんと織物の工作をするのが楽しみ」と話している。

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