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道行く若者らにチラシを配る過労死遺族の西垣迪世さん=神戸市中央区
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道行く若者らにチラシを配る過労死遺族の西垣迪世さん=神戸市中央区

 働き方改革関連法が4月に本格施行されてから約2カ月。時間外労働(残業)の上限規制などを巡り、一部企業で「しわ寄せ」が出始めている。改革は長時間労働に歯止めをかけ、過労死や健康被害を防ぐのが目的だが、残業を減らすために昼休み返上で働くケースも。過労死遺族らは「仕事で命を落とすことがないよう、労働時間を適正に把握する仕組みが必要」と訴える。(末永陽子)

 残業時間の上限規制は月45時間、年360時間が原則。特例でも最長で月100時間未満、年720時間以内で、違反企業には罰則として6月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。

 中小企業への適用は来年4月だが、規制に間に合わせるため、早めの対応に追われている。

 大阪市内の機械卸会社に勤める兵庫県尼崎市の男性(27)は約2年前から、残業するには上司への事前申請が必要となった。業務が集中する月初めや月末は申請して残業するようになったが、ある時、残業が増えると人事評価が下がると知った。

 このため、いつしか昼休みに仕事することが当たり前に。昼食は出社前に買ったパンを10分以内で食べ終え、時には抜くこともある。会社側が休み時間の労働を認めるのは違法に当たり、残業手当はもちろんない。男性は「完全なただ働きだが、残業が続けば評価が下がり手取りも減る。人手不足で仕事は増えるのに、労働時間を減らせと言われても…」と不満を漏らす。

 一方、経営陣が負担を「肩代わり」するケースも。家族3人と神戸市内で運送会社を営む60代男性は、ドライバー数人を雇用するが、人手不足に悩む。ドライバーを確保しようと、休日出勤や深夜勤務の削減、給与アップなどの待遇改善を進めてきた。

 反して、男性や家族ら経営陣は残業時間が急増。10連休中も家族3人が中心となって配送をこなし、息子から「自分の家族と過ごす時間がない。経営陣の働き方も考えてほしい」と反発されたという。男性は「時短を進めるほど、自分たちが過労になってしまう」と困り果てた様子だ。

   ◇

 関連法については、特例の月100時間も「過労死ライン」として、かねて過労死遺族から「長時間労働の合法化につながる」と疑問視する声が上がっていた。

 IT企業に勤める長男=当時(27)=を2006年に過労死で亡くした神戸市の西垣迪世(みちよ)さんらは5月下旬、同市中央区の街頭でキャンペーンを展開した。

 西垣さんは「私の息子も、あなたたちと同じように神戸で青春時代を過ごした一人だった。仕事より命を大事にして」と呼び掛け、「うわべの改革で終わってはいけない」と訴えた。

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