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住宅街の公道を走る自動運転の乗用車=2017年11月7日、=神戸市北区筑紫が丘
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住宅街の公道を走る自動運転の乗用車=2017年11月7日、=神戸市北区筑紫が丘
長い坂道が延々と続く。車がなければ、高齢者の移動が不便=神戸市北区筑紫が丘
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長い坂道が延々と続く。車がなければ、高齢者の移動が不便=神戸市北区筑紫が丘
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 安全性の向上や新たな交通サービスの創出などを目指す乗用車の自動運転実験が各地で行われている。神戸市北区で進行中の実験は、自動運転向けの最新技術を救命や防犯などにも活用し、地域の暮らしの利便性向上を目指す。実験に取り組む研究グループはオールドニュータウンを再生し、市全体を活性化させる「神戸モデル」として、他地域への拡大を図る考えだ。(長沢伸一)

 傾斜は緩いが、坂道が延々と続く。実験の舞台、筑紫が丘地区は2018年12月時点で、住民約6千人のうち45%が65歳以上。自治会長の川渕啓司さん(70)は「荷物を持った高齢者は、何度も休まないと家まで帰れないんです」と肩を落とす。免許証を返納し、車を手放す高齢者も増えているが、坂を敬遠し、外出しなくなるという。

 研究グループを主催する日本総合研究所(東京)は、高齢者が歩いて暮らすには厳しい地形であることに加え、自治会活動が積極的で住民と共同で実験できることなどに着目した。

 実験では時速20キロ以下で、地区内の住宅地などを走行。電話などで車を呼び出すと、目的地まで送り届けてくれる。無人タクシーのような運用が可能だ。

 最新の技術は自動運転だけにとどまらない。電柱に設置したカメラの映像を人工知能(AI)で解析し車に送信。交差点内のスムーズな移動のためだが、この技術で、通行人の骨格の動きを分類する。うずくまっている病人や、きょろきょろしている不審者らを自動検知でき、見守りや防犯、救命への転用を模索する。

 また、運転席と助手席の間に身長約30センチのロボットが乗っており、例えば「おはよう」と話し掛けると「おはよう」と返事する。知らない人同士が乗り合わせても会話のきっかけをつくり、コミュニティー形成に役立てようという細やかな気配りだ。

 技術を応用し、道路の異常を発見したり、移動データを生かし遠隔地の家族が状況を確認できるシステムの構築も視野に入れる。

 地元には「安全性は大丈夫か」という声もあるが、自動運転車に乗った住民たちは「便利で安全」「車が定期的に回ってくれれば、防犯面でも安心」と歓迎する。

 「住民が主体的に実験に加わり地域の活性化を目指す。全国でも先駆的な事例」。日本総研創発戦略センターシニアマネジャーの井上岳一(たけかず)さん(49)は力を込める。

 「便利だったね」「今度はいつかな」。地区内では自動運転の話題が出て、高齢者の外出も増え始めたという。川渕さんは「新しい技術に興味を持つ若い人たちが住んでくれるようになり、家に閉じこもりがちな高齢者を活動的に。自動運転の技術で、まちを元気づけたい」と話す。

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