総合 総合 sougou

  • 印刷
田園地帯に点在する農業用ため池。兵庫県内に約3万8千カ所あるとされてきたが、県の調査で約1万カ所が実在しないことが分かった=兵庫県稲美町
拡大
田園地帯に点在する農業用ため池。兵庫県内に約3万8千カ所あるとされてきたが、県の調査で約1万カ所が実在しないことが分かった=兵庫県稲美町
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 「ため池王国」兵庫県の地位が揺らいでいる。県内には全国最多の約3万8千カ所のため池があるとされてきたが、県が改めて精査したところ、3割近い約1万カ所が実際には存在しないことが判明。各市町から報告を受ける際、消滅した池などが“水増し”でカウントされていたという。2位以下とはまだ差があるものの、県は「数だけでなく、管理体制でも全国トップを目指していく」としている。(前川茂之)

 ため池は雨の降る量が少ない瀬戸内海地方で江戸時代以降、多く造られた。離農や耕作地の放棄などで減少傾向が続くが、現在も全国で約19万カ所あるとされる。兵庫県内では1971年に5万5千カ所以上あったと記録され、大きな河川のない淡路島が全体の4割以上を占めた。

 県はこれまで各市町からの報告を集計し、兵庫のため池数としてきた。昨年4月時点で3万7652カ所を数え、2位の広島県(約2万カ所)、3位の香川県(約1万4千カ所)を大きく引き離し、「日本一のため池王国」として大々的にアピールしている。

 ところが、2017年4月に三田市でため池の堤防が決壊し、近くの会社や民家が浸水した事故が発生。県はため池の現状を調べる一斉調査に乗り出し、自治会長や農会長らに池の場所などを尋ね、航空写真で照合するなどした。

 その結果、土砂に埋まってなくなっていた池や、宅地などになってしまっているケースが相次いだという。県農村環境室によると、把握できていなかった池は全て、用水によるかんがい農地面積が0・5ヘクタール未満の「特定外ため池」で、個人農家などが使っている小規模なものだった。

 特定外ため池は全体の約8割を占め、これまでは池の管理者に県への届け出義務がなかった。調査する市町が県に報告する際も現地には行かず、「多くの市町が昭和20~30年代の調査結果を基にしていたのが実態」(同室)という。

 一斉調査の結果は集計中だが、減少数は県全体で約1万カ所になるとみられる。これまでの約1万3千カ所だった淡路市も精査の結果、減るのは確実で、担当者は「行き方も分からないような山の中にもあり、全てを確認するのは現実的に不可能だった」と釈明する。

 ため池の決壊が相次いだことなどを受け、国も対策の見直しを進めている。18年の西日本豪雨で広島県福山市のため池が決壊し、土砂に巻き込まれた3歳の女児が死亡したことなどを受け、国は今年4月、「農業用ため池管理保全法」を制定。全ての農業用ため池の届け出を義務化し、違反者には10万円以下の過料が罰則として設けられている。

 同室は「小規模なため池でも、下流域に人家や施設があり、決壊時に危険性の高いものから把握を進め、老朽化対策に取り組んでいきたい」としている。

総合の最新
もっと見る

天気(9月22日)

  • 29℃
  • 21℃
  • 20%

  • 26℃
  • 16℃
  • 10%

  • 27℃
  • 20℃
  • 30%

  • 29℃
  • 19℃
  • 30%

お知らせ