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右足でアクセル、左足でブレーキを操作する男性=神戸市北区
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右足でアクセル、左足でブレーキを操作する男性=神戸市北区

 「事故防止には『左足ブレーキ』が有効では」。アクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故が全国で多発している実態を先月18日付の朝刊で報じたところ、読者からこんな意見が複数寄せられた。アクセルもブレーキも同じ右足で操作するから踏み間違える。ならばブレーキは左足に任せてみよう-という発想だ。大胆かつ合理的な提案のようにも聞こえるが、それって正しいの?

 「もう20年以上、この運転方法です」。手紙を寄せてくれた神戸市北区の男性(71)は、左足ブレーキのベテランだ。

 後部座席に同乗し、住宅街を走ってもらった。道路脇を歩く子どもを見掛けると、左足でブレーキを踏み徐々に減速。通り過ぎると右足でアクセルを踏みゆっくりと加速する。通常の運転の乗り心地と、何ら変わりはなかった。

 左足でクラッチを踏むマニュアル車に慣れていたこともあり、オートマチック車に乗り換えてからは左足でブレーキを操作するように。アクセルペダルとブレーキペダルの位置が近く、両足を使うと窮屈そうにも見えるが「右足だけだと踏み替えが必要になり、ばたばたして苦手」と話す。

 左足ブレーキを始めて3年という男性からもメールがあった。さいたま市の男性(70)。悲惨な踏み間違い事故を報道で知ったのが実践のきっかけだったという。高齢ドライバーへのプレッシャーを感じ、「左足を使えば踏み間違えることはなさそうだ」と考えた。

 かつては2~3時間運転を続けても平気だったが、年齢とともに右足に疲れを感じるようにもなっていた。そこで信号待ちの際にブレーキを左足に変えてみたところ、「とても楽になった」。最近では停止中だけでなく、運転中も思い通りに左足でブレーキをかけられるという。

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 プロの指導者の見方はどうか。神戸市東灘区の教習所「リエゾンドライビングスクール」の副管理者で、約20年の指導歴がある白神勝さん(57)に尋ねた。

 結論は「一般的にはあまり推奨できません」。理由は「右足が利き足の場合、左足だと踏み込む加減が分からず、急ブレーキになりやすい」からだという。同教習所では、警察庁監修の指導要領例を基に作成された教本通り、アクセルとブレーキは右足で操作するよう指導している。

 同要領例を作成する「全日本指定自動車教習所協会連合会」によると、「左足は運転席の床につけ、運転姿勢を安定させるのが基本。左右の足を使うと踏ん張りが利かないため姿勢が安定せず、事故につながる可能性がある」という。

 白神さんも「アクセルの操作時以外は、右足を常にブレーキペダルに載せることが重要。とっさに踏んだとしても停車できる」とアドバイスする。

 ただし、左足ブレーキが禁止されているわけではない。さいたま市の男性も「ブレーキ操作にはそれぞれの流儀があり、右足、左足のどちらかが正解というわけではない」と指摘した上で「今の私には、左足も使う“二刀流”が合っている」と話した。(村上晃宏)

【アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故】 警察庁によると、2008~17年の10年間に、アクセルとブレーキの踏み間違いなどで死傷者が出た事故は全国で6万239件に上り、450人が死亡した。誤操作した運転手の年代では、10~20代の割合が27%で最も高く、次いで70歳以上が24%。兵庫県内では同じ期間に2133件の事故があり、26人が亡くなった。

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