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作家の田辺聖子さん=2011年3月、伊丹市内
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作家の田辺聖子さん=2011年3月、伊丹市内

 芥川賞受賞作「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)」や「乃里子」3部作など、軽妙な大阪弁で男女の機微を描いた小説で知られる作家で、文化勲章受章者の田辺聖子(たなべ・せいこ)さんが6日午後1時28分、胆管炎のため神戸市の病院で死去した。91歳。大阪市出身。自宅は兵庫県伊丹市。葬儀・告別式は親族で行った。喪主は弟聰(あきら)氏。後日、東京と大阪でお別れの会を開く予定。

 1928(昭和3)年、大阪・福島にあった写真館の長女として生まれ、樟蔭女子専門学校(現大阪樟蔭女子大)国文科を卒業。その後、大阪文学学校で学んだ。57年に雑誌「婦人生活」の懸賞小説で佳作となった「花狩」が、翌年単行本化されてデビュー。64年「感傷旅行」で芥川賞を受け、一躍人気作家になった。

 「言い寄る」「私的生活」「苺をつぶしながら」(74~82年)の「乃里子」3部作をはじめ、仏女性作家サガンの影響を受けた大阪弁の恋愛小説で“浪速のサガン”とも呼ばれた。神戸市兵庫区の開業医だった夫の故川野純夫さんが登場する「カモカのおっちゃん」シリーズなど、ユーモラスなエッセーでも活躍した。

 一方、“田辺源氏”と称される「新源氏物語」(78~79年)など、古典の現代語訳や翻案も多く手掛けた。俳句や川柳への造詣も深く、小林一茶の晩年を描いた小説「ひねくれ一茶」(92年)で吉川英治文学賞、川柳作家岸本水府の伝記「道頓堀の雨に別れて以来なり」(98年)で泉鏡花文学賞と読売文学賞を受けた。

 映像化された作品も多く、2006~07年に自身の半生がモデルのNHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」が放送された。「ジョゼと虎と魚たち」は映画化され、03年に公開された。

 95年に紫綬褒章、00年に文化功労者、08年に文化勲章。87~05年に直木賞選考委員。86年に神戸新聞平和賞も受けた。07年に母校の大阪樟蔭女子大のキャンパス(大阪府東大阪市)に田辺聖子文学館が開設。伊丹市に住み、09年には名誉市民に。12年に開館した新しい市立図書館「ことば蔵」の名誉館長にも就いた。

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