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田辺聖子さん=2007年5月11日、伊丹市内の自宅
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田辺聖子さん=2007年5月11日、伊丹市内の自宅

 田辺聖子さんと親交のあった関西ゆかりの作家らからは惜しむ声が相次いだ。

 田辺さんのファンで交遊があった芥川賞作家の小川洋子さん(57)=兵庫県西宮市=は「気楽に声を掛けていただき、野球観戦や食事をご一緒していたのに」と驚きを隠せなかった。「いつも笑顔の方だった。相手を機嫌よくさせる術(すべ)もお持ちだった」とし、「その性格は田辺文学に生きている。人間がいかに楽しく生きるべきかを描き、意地の悪い人が登場しても、その存在を全否定しなかった」としのんだ。

 田辺さんが神戸市に住んでいた頃、互いの家で食事するなどした同市在住の作家、島京子さん(93)は「とにかく負けん気が強く、根性がある人だった。それが旺盛な創作意欲を支えたのだと思う」と悼んだ。

 親交が深かった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(97)は「寂しい。もうすぐ私もいくから迎えてね、と言いたい」。田辺さんについて「文学をよく勉強され、どんな話でもできた。私との対談時、おっちゃん(田辺さんの夫の故川野純夫さん)を連れてくるなど、とても仲が良かった。おっちゃんがいて幸せだったと思う。2人から電話もよくかかってきた」と懐かしんだ。

 大阪市出身の作家佐藤愛子さん(95)=東京都=は「人が気付かない面を把握する観察眼があった。私にとって足元にも及ばない大作家だが、偉そうにすることがない、魅力的な人柄だった」と惜しんだ。

 伊丹市の柿衞(かきもり)文庫理事長で俳人の坪内稔典(としのり)さん(75)=大阪府箕面市=は、同文庫で田辺さんの展覧会を企画するなど交流を重ねた。「男なら宝塚歌劇を見なければ」と言われ劇場に足を運んだことも。「きれいでかわいいものが好きで、いくつになっても夢見ることができる人だった」と話し、田辺さんを顕彰する企画に取り組みたいという。

 田辺さんが名誉市民だった伊丹市の藤原保幸市長は「まちづくりに多大な貢献をいただいた。『伊丹のまちにずっと住んでいたい』という言葉をいただき、大変うれしく思った」と感謝した。

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