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指紋認証で商品が買える自動販売機。経済産業省のイベントで紹介された=経産省
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指紋認証で商品が買える自動販売機。経済産業省のイベントで紹介された=経産省
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 現金を使わない「キャッシュレス決済」が急速に広がりつつある。増え続けるインバウンド(訪日外国人客)のニーズが背中を押し、人手不足も追い風になっている。東京五輪を来夏に控え、経済産業省は今年を「キャッシュレス元年」と位置付けて旗を振るが、現金志向の強い日本に根づくか。鍵を握るのは地方での浸透だ。(西井由比子)

 「挑戦する前はハードルが高いが、一度体験すれば簡単だと分かります」

 3月下旬、経産省などが省内で開いたキャッシュレス推進イベント。小売り、決済事業者など約40社を前に、世耕弘成経産相は力を込めた。

 スマートフォンによる決済の他に、指紋認証による自動販売機など、さまざまな体験コーナーを設けて利便性をPR。今年10月の消費税増税に伴うキャッシュレス決済へのポイント還元も、政府の景気対策としてアピールする。

 同省によると、2015年の日本のキャッシュレス決済比率は18%。諸外国と比べるとかなり低い。

 今秋のラグビーワールドカップを皮切りに、25年の大阪・関西万博まで国際的なビッグイベントが続く。訪日ラッシュが期待できるタイミングで“キャッシュレス後進国”からの脱却を図り、国は、25年に決済比率を40%に引き上げる目標を掲げる。

 壁になっているのが、首都圏に比べて比率が低いとみられる地方の動きだ。

 5月中旬、キャッシュレスによる地方活性化を考えるセミナーが東京都内で開かれた。飛騨・高山(岐阜県)など導入済みの観光地がメリットを報告したが、兵庫県から参加した城崎温泉(豊岡市)の老舗旅館「西村屋」の西村総一郎社長は「クレジットカードは決済手数料(平均3%)が高い。スマホ決済は現在、無料の事業者もあるが、1%程度に抑えてもらいたい」と注文を付けた。

 城崎温泉はアジア系の客の割合が比較的低く、これまでキャッシュレス決済の必要性に迫られていなかったという。しかし、最近では土産の売れ行きが伸び悩んでおり、じわじわと影響も見られ始めている。

 なかなか普及しない状況について、「手数料などの課題もあるが、心理的な壁が大きいのでは」と決済事業者。治安が良く偽札も少ないことから現金に対する信頼度が高く、「データのやりとりでの決済では、個人情報の流出を連想されるのでは」(経産省)。

 セミナーの司会を務めた村尾信尚・関西学院大教授(経済政策)は「これからの地方活性化にインバウンド対策は必須で、キャッシュレスは欠かせない。地方での人手不足はますます進み、労働生産性向上にも寄与する」と指摘している。

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