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舞子介類館によるイソシジミの標本(大阪市立自然史博物館提供)
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舞子介類館によるイソシジミの標本(大阪市立自然史博物館提供)
寄贈された標本の数々=大阪市立自然史博物館
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寄贈された標本の数々=大阪市立自然史博物館
舞子介類館の展示室(西宮市貝類館所蔵の写真はがきより)
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舞子介類館の展示室(西宮市貝類館所蔵の写真はがきより)
矢倉和三郎氏(岡本正豊氏提供)
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矢倉和三郎氏(岡本正豊氏提供)

 神戸市垂水区に1908(明治41)年、開設された貝類博物館「舞子介類館(かいるいかん)」が100年以上前に作った標本約520点が見つかった。大阪府内の学校が購入していたもので、大阪市立自然史博物館(同市東住吉区)が譲り受けた。舞子介類館は30年に閉館し、標本や資料の大半は行方がわからなくなっていた。同博物館は「舞子介類館の標本がこれだけ大量に発見されたのは、貝類博物館の歴史を考える上で極めて貴重。100年の環境の変化も貝で分かる」と話す。(金井恒幸)

 舞子介類館は、国内初の私立貝類専門博物館として貝類収集・研究家の矢倉和三郎(やぐらわさぶろう)氏(1875~1944年)が垂水区の自邸に開いた。所蔵標本は約2900種、ピーク時には年間5千人が訪れたが、赤字のため閉館した。標本の一部は研究機関に売却されたが、多くは散逸。矢倉氏は旧兵庫県博物学会の顧問を務めた経歴もある。

 標本を保管していたのは東大阪市にある私立樟蔭高校。理科標本の中に「舞子介類館」のラベルが付いた貝を見つけ、昨年、貝類に詳しい大阪市立自然史博物館の石田惣主任学芸員(46)に相談した。矢倉氏は学校に標本の販売もしており、同校前身の旧樟蔭高等女学校が1917年の設立時に購入していたとみられる。今年2月、同博物館に寄贈した。

 標本の産地は北海道から九州、沖縄まで全国の貝に加え、台湾のものもある。大阪府東部産の淡水巻き貝「カワネジガイ」は環境省が絶滅危惧1A類(絶滅の危険性が極めて高い)に分類する貴重な貝。大阪湾の干潟で採取された二枚貝「イソシジミ」も、埋め立てが進んだ今はほとんど見られない。淡路や播磨、但馬産など兵庫県産の貝も約100点あるという。貝を使ったネックレスやかんざしなどの工芸品もあり、貝の利用法も伝えようとしていたことがわかる。

 同博物館は寄贈された標本のうち約260点を今春、展示したが、今後は外部の研究者を交えて分析を進める。石田さんは「未知の部分もある舞子介類館の実態のほか、海の汚染の進み具合など、標本を通して環境問題も研究したい」と話す。

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