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 神戸・ポートアイランドのスーパーコンピューター「京(けい)」の電源が落とされる8月30日まで、2カ月余りとなった。理化学研究所(理研)は9月以降に解体を始め、同じ場所に後継機となるスパコン「富岳(ふがく)」を整備するという。開発費などで793億円もかかった「京」のハードウエアは、移設したり一部を活用したりできないのか? 理研計算科学研究推進室を取材すると、家庭用パソコンとは異なる、スパコンの特殊性が浮かび上がってきた。(霍見真一郎)

 京は、理研と富士通が開発。世界で初めて毎秒1京回(京は兆の1万倍)を超える計算速度を達成し、本格稼働前の2011年にランキングで世界一になった。12年6月に米国のスパコンに抜かれ、18年11月現在では世界18位。しかし、国内ではトップ3に入り、依然として高性能であることに変わりはない。

 このままどこかに移設するなど再利用の道も考えられるが、「現実的ではない」(理研)という。京は本格稼働した12年9月から約7年がたっており、電気代や冷却用の水道代、メンテナンス費用など、年間約100億円の維持費が必要。経年劣化する中、巨額な経費をかけて運用する施設はなさそうだ。

 では、全体で864台あるラック(筐体(きょうたい))を分割し、全国の大学などに設置してはどうだろう。

 これについては理研も最低の構成単位の4台ずつで分割設置できないかどうか検討したという。しかし、新たに水冷施設なども造らなければならず、移設に約6千万円、年間の運用費に1億円以上かかる。さらに、今後の保守点検作業も保証できないため「実現は困難」と判断された。

 それなら分解して、基盤(システムボード)や記憶装置(メモリー)、中央演算処理装置(CPU)を販売してはどうか。「基板やCPUは京専用に設計されており一般のパソコンでは利用できない」と理研。結局、「移設は不可能」との結論に至ったという。

 理研は部品から金属などの素材を抽出して売却し、撤去費用の一部に充てるほか、計算科学の歴史的資料として全国の科学館に一部を収蔵してもらう働き掛けも進めている。

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