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AIを活用した空調システムの実験で、大幅に電力を削減できることが分かった地下街「さんちか」=神戸市中央区
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AIを活用した空調システムの実験で、大幅に電力を削減できることが分かった地下街「さんちか」=神戸市中央区

 広大な地下街での人の流れを人工知能(AI)で予測し、最適な空調と省エネを実現する-。神戸・三宮の地下街「さんちか」を舞台に、神戸大などの研究グループがこんな実証実験を展開したところ、最大で4割超の電力を削減できたことが分かった。年間換算では数千万円分の空調費削減につながるという。神戸大などは社団法人も立ち上げており、世界初というこの取り組みを広める考えだ。(霍見真一郎)

 さんちかは1日約15万人が利用する兵庫県最大の地下街で、延べ約1万9千平方メートルに約120店が並ぶ。地上との出入り口から熱気が入り、行き交う人々の流れも複雑なため、場所に応じて冷房を効率よくコントロールするのが難しかった。

 実証実験は昨年夏に実施した。従来は広い地下街を均一に冷やしていたが、AIで人が多く集まりそうな場所を予測し、そこへ必要最小限の冷たい空気を送れば空調の効率は上がる。

 そこで実験では、地下街中央の南北通路(幅約6・5メートル、長さ約150メートル)を「24区画×3層の高さ」の計72ブロックに分けて温度計を設置。その上で周辺23カ所に人の動きなどをレーザーで捉えるセンサーを取り付け、収集したデータを基にAIが人の集まりそうな場所を分析、ピンポイントで温度調節できるシステムを整えた。

 また、店舗などから流れ出る冷気を効率的に集めて再利用したり、地上との開口部に人工的な気流を起こして熱気の流入を防いだりする設備も導入した。

 効果は昨年7~9月のデータを比較して検証した。例えば、曜日が同じで外気温も類似した7月20日と27日を午前10時~午後6時の時間帯で比べたところ、AI管理していない20日に対し、27日の電力消費量は42・5%も削減。ほぼ28度以上だった南北通路の温度は大部分が27度台となった。同通路の面積は地下街全体の2割程度だが、AI管理しなかった他の場所を含めても23・9%削減できた。

 今回の実験は環境省の委託を受けており、機器類の準備に約1億円かかったが、神戸大の長廣剛特定プロジェクト研究員は「投資額は数年以内で回収できることが分かった」と話す。

 昨夏はAIが最適と判断した空調運転を研究者が手作業で操作していたが、今年の実験では新たに自動運転も試している。また、通行人の性別と年齢をカメラ映像で推測し、そのデータも温度設定の分析に生かす。映像は保存されない。

 神戸大などでつくる一般社団法人「超スマート社会研究機構」は現在、この空調システムを空港やスーパーなどに導入するプロジェクトも進めている。

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