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米テキサス州フォートワースで開かれた世界的なアマチュアコンクールで演奏する栗本康夫さん=2016年(本人提供)
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米テキサス州フォートワースで開かれた世界的なアマチュアコンクールで演奏する栗本康夫さん=2016年(本人提供)
人工多能性幹細胞の移植について記者会見する栗本さん(左)。右は理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダー=17年2月、神戸市中央区
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人工多能性幹細胞の移植について記者会見する栗本さん(左)。右は理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダー=17年2月、神戸市中央区

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の網膜移植手術を執刀した、神戸アイセンター病院(神戸市中央区)院長の栗本康夫さん(58)にはもう一つ、知る人ぞ知る別の顔がある。趣味の域を超えたピアニストだ。その実力は折り紙付きで、米国で今月開かれた国際ピアノコンクールで優勝を果たした。普段は出勤前の「朝練」などで腕を磨き、チャリティーコンサートに出演することも。「繊細な指運びは、手術と通じるものがある」と語る。(霍見真一郎)

 今回優勝したのは、米国のボストンで6月4~8日(現地時間)にあった隔年開催の「第10回ボストン国際ピアノコンペティション」。栗本さんは早めの夏休みを取って参加し、決勝ではショパンの「四つのマズルカ」など3曲を弾いて55人の頂点に立った。「海外のコンクールは、言葉の壁を越えてコミュニケーションができるのが大きな魅力。ピアノを通じ、言葉では得難い共感を抱くことができる」と話す。

 親の勧めで5歳ごろにピアノを始めた。小学校に入ると、レッスンのため皆がやっていた野球ができないことに反発し、間もなくやめてしまった。その後クラシック音楽に興味を持ち、小学6年の時に練習を再開。中学、高校時代は熱心に取り組み、高校3年時にはプロのコンサートピアニストを目指して音楽大に進むか、関心があった医学部か-で進路に迷ったという。

 母の助言もあり、京都大学医学部に入学。その後も趣味で弾いていたが、博士号を取り、30歳を過ぎて眼科医として本格的に働くようになると、忙しさのためやむなく鍵盤から離れた。

 転機は米ハーバード大で研究員として働いていた40歳のころ。時間ができ、電子ピアノを買って練習を再開した。現地で開かれた、初回の「ボストン国際ピアノコンペティション」に出場。技量を高めるため、帰国後も国内外のコンクールへの出場を自らに課し、朝5時台から自宅の防音室で「朝練」を続けた。2016年には、プロも参加できる全国大会「ピティナ・ピアノコンペティション」のグランミューズ部門A1カテゴリーで優勝。その名が知れ渡った。

 「目の手術では、数十ミクロン(1ミクロンは千分の1ミリ)の膜を剥がす繊細な動きが求められる。力のかけ方のわずかな違いで音色が変わるピアノと共通点がある」と栗本さん。今後もコンクールへの出場や患者支援につなげるチャリティーコンサートを続けたいとしている。

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