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野球少年の肘の状態を検査する田辺勝久医師(右)=昨年11月、西宮市六湛寺町
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野球少年の肘の状態を検査する田辺勝久医師(右)=昨年11月、西宮市六湛寺町
投球フォームを指導するベースボールメディカルセンターの相沢一幸さん(右)=西宮市上大市4
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投球フォームを指導するベースボールメディカルセンターの相沢一幸さん(右)=西宮市上大市4

 投手の投げすぎが肘の負傷につながる恐れがあることから、小中学校や高校で投球制限の議論が活発化している。新潟県高校野球連盟が投球制限導入を表明し、日本高野連が検討。全日本軟式野球連盟も小学生の公式戦で投球制限を導入し、8月の大会から順次適用する。ただ、少子化を背景に選手層が薄くなったチームは消極的。競技人口の少ない地方では「投手不足で試合にならなくなる」といった声も上がり、足並みがそろわないのが現状だ。(小森有喜)

 投手は、肘の故障がつきまとう。プロ野球選手もしばしば注目され、近年でも米大リーグで活躍する大谷翔平選手の手術が話題になった。小中高生もスポーツ障害「野球肘」の予防が検討されている。

 全日本軟式野球連盟は小学生の公式戦で「1日70球制限」を導入し、兵庫県内の少年野球チームでも準備が進む。尼崎スピリットクラブ(兵庫県尼崎市)では球数制限に対応するため、5、6年生13人のうち7人を投手兼任に。横谷孝史代表(53)は「導入に向け、投手の数を倍に増やした。1試合で複数人を登板させ、負担を減らすようにしている」とする。

 ぎりぎりの選手数のチームは対応に苦慮する。兵庫県軟式野球連盟は、県大会で球数制限をしているが、予選大会については各地の支部に一任。多くの支部が球数制限ではなく、「1日7イニング」の回数制限を導入する。投手数が少なくても対応しやすいためだ。

 同連盟赤穂支部の永安弘理事長(71)は「メンバーをそろえるのに精いっぱいのチームも多い。今すぐに球数で制限すると、投手不足で試合にならなくなる」と厳しい実情を語る。

 硬式球を使用するリトルリーグは、米国にある本部の基準にならい、すでに制限を導入。13~14歳では1日95球、そこから年齢が下がるとともに制限が厳しくなる。兵庫播磨リトルリーグ(播磨町)の妹尾正広事務局長(69)は「ほとんどのチームに最低4、5人は投手がいる。硬式でも選手の数は足りないが、選手の将来を考えて適応していくしかない」と話す。

 高校野球でも再三、故障への対応や未然防止が課題に挙がる。新潟県高野連が昨年12月、県大会で球数制限を導入する方針を表明したが、日本高野連は「勝敗に影響を及ぼす規則は全国で足並みをそろえて検討すべき」とし、今春の導入は見送られた。

 兵庫県内では高校球児の数がここ5年で3割近く減少した。ベンチ入りメンバーが足りないチームも全体の2割近くある。県高野連は「部員不足の加盟校が多い現状があり、まだ導入は難しい」としている。

 野球での体の使い方をアドバイスする西宮市の「ベースボールメディカルセンター」代表、相沢一幸さん(37)は「球数を抑えるのと同時に適切な投球フォームも重要」と指摘。小学生からプロ野球選手まで、投手の肘や肩への負担を減らすフォームを指導している。「指導者が体の構造や動かし方、ケアの方法について知識を付け、指導してほしい」と話している。

■指導者はより厳しく認識持つべき

【「野球肘」の検査を続ける西宮市立中央病院の田辺勝久医師(51)の話】肘の故障は、全力でボールを投げる瞬間、関節に強いねじれや力がかかる。この動作を繰り返しやりすぎると、肘の軟骨が剥がれ落ちたり、つぶれたりしてしまう「離断性骨軟骨炎」につながる。特に成長期は軟骨が弱く、肘故障のピークは10代前半。肘や肩への負担軽減は、球数制限が効果的。選手の未来のため、指導者は投げすぎに対する認識をより厳しく持つべきだ。

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