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幅広い年代が詰めかけた資産運用セミナー=大阪市北区、グランフロント大阪
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幅広い年代が詰めかけた資産運用セミナー=大阪市北区、グランフロント大阪
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 老後資金について「95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要」とした金融庁の金融審議会の報告書を受け、少額投資など長期の資産形成を考えるセミナーへの関心が高まっている。背景にあるのは、年金制度や老後の生活設計への不安の広がり。4日に公示される参院選でも争点の一つとなるが、若者を中心に「年金だけで暮らせないのは分かっており、今さら驚かない」と冷ややかな反応もある。

 公的年金だけで老後の資金を賄えないとする報告書を巡っては国民に不安や反発が広がり、麻生太郎金融担当相が受け取りを拒否する異例の事態に発展した。

 報告書は、2017年家計調査を基に、夫65歳以上で妻60歳以上の無職夫婦世帯で、月々の年金などの収入は20万9198円、支出は26万3718円となり、月5万4520円不足すると試算。30年続くと2千万円近くになる計算だ。

 「自己責任で資産を増やさないといけないのか、と不安になりました」。6月下旬に大阪市内で開かれた資産運用セミナー。約40人が参加した会場から出てきた兵庫県西宮市の会社員男性(52)は不安げな表情だった。

 主催したのは、ネット証券の利用者向けに助言する金融商品仲介会社Fan(富山市)。神戸支店長の植草浩一さんは「中年世代の受講が目立ってきた。セミナー後の個別相談の申し込みは倍増している」と話し、金融庁の報告書の反響は大きいとする。

 金融庁の報告書の狙いも、投資による資産形成の必要性を説き、普及を促すことにある。資産運用に積極的な米国の家計資産は20年前の3倍超、ユーロ圏は2・5倍近くに増えたのに対し、日本は約1・5倍にとどまっている。

 一方で、株式や投資信託などの投資はリスクの大きい商品もあり抵抗感は根強い。「そもそも日々の生活が苦しく、投資の余裕などない」との声も多い。

 「100年安心」を掲げる政府の公的年金制度への信頼も揺らぐ。共同通信社の世論調査では、自民党支持層でも6割近くが制度を「信頼できない」とした。

 一方、若い世代は比較的冷静だ。神戸市中央区の女性(31)は幼少期に平成不況に入り、大学時代は就職氷河期でリーマン・ショックもあったため「楽観論は持てない。生涯を見通した資産形成を考えたい」。同県伊丹市のファイナンシャルプランナーの女性(38)は「根本的な課題にふたをするような与党にも、対案なく投資の危険性ばかりを強調する野党にも賛同できない」とする。

 老後資金問題を参院選の争点に据える構えの野党と、年金不安の解消に躍起の与党。国民の不安や疑問に応える論戦が期待される。(内田尚典、井上 駿)

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