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今年の「アクセシビリティの祭典」。よりよい機器づくりのためさまざまな意見が交わされた=神戸市中央区
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今年の「アクセシビリティの祭典」。よりよい機器づくりのためさまざまな意見が交わされた=神戸市中央区
障害者ら当事者と開発者をつなぐ板垣宏明さん=神戸市中央区
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障害者ら当事者と開発者をつなぐ板垣宏明さん=神戸市中央区

 身体の状態や能力、言語の違いなどに関わらず、いろいろな人が使えることやその度合いなどを示す「アクセシビリティー」を重視した製品やサービスが注目されている。最新の技術により便利な製品が生まれているが、実際に使う人が「使いやすい」と感じられなければ意味がない。情報通信技術により障害者の社会参加を進めるNPO法人「アイ・コラボレーション神戸」代表の板垣宏明さん(35)=兵庫県尼崎市=は、当事者と開発者とをつなぎ、アクセシビリティーの高い商品づくりを応援している。(広畑千春)

 足や手、腰など全身の多くの関節が曲がらない先天性多関節拘縮症。幼い頃、母親は「一人で生活できるように」と、ユニバーサルスプーンをはじめ、障害があっても使いやすいとされる「ユニバーサル」と付くものを手当たり次第取り寄せてくれたという。

 「ユニバーサルスプーンは僕には使いづらくて…。結局は無理をして箸を使った。配慮してあるものでも使えないんだと逆にへこんでしまった」

 中学生の頃、ナイキのスポーツシューズ「エアマックス」がブームとなり、同級生たちがこぞって履いたが、ひざを固定して歩く装具を着けた板垣さんには「無関係」だった。板垣さんが履いていたのは面ファスナーのシューズ。

 「大きくて重くてダサくて『ザ・障害者』みたいで嫌だった。でも、自分はこんなだからどうしようもない。諦めること、我慢することが当たり前だった」

 転機は19歳で自立生活訓練センターに入ったこと。一人で暮らすようになり、日常生活の動作をしやすくする自助具などを使い、自分でできることが実は多くあることに気づいた。

 「あのスプーンだって、すごく熱い思いで作られたはず。もし、当事者の声を開発者に届けることができたなら、ユーザーも開発者もみんなうれしいのでは」

 そう思うようになった板垣さんは訓練校でコンピューター利用設計システム(CAD)を学び、2016年からNPO法人の代表に。自治体や企業のウェブサイトでJIS規格が守られているかをチェックし、ユーザー評価も行う。神戸市のサイトではパソコン入力やマウス動作が苦手な人のため検索窓を画面中央に配置する改良などに携わった。

 15年から毎年1回、日本マイクロソフトなどのメーカーが最新機器を展示する「アクセシビリティの祭典」を神戸で開く。会話を文字で表示してくれる「見える電話」、見えたものを音声で伝えるカメラ、視線を認識して入力できるソフトなど、夢のような技術が会場に並ぶ。昨年からは開発者と当事者による対談も始まった。

 「当事者も開発者も、高齢者も子どもも、みんなが使いやすいもの、あったらいいなと思うものを発信していきたい」と力を込めた。

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