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廃校の校庭などを舞台にした「地球(ほし)とヒトが“恋する”映画祭」の昨年の様子。若者らが多く集った=京都府南丹市(同祭実行委員会提供)
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廃校の校庭などを舞台にした「地球(ほし)とヒトが“恋する”映画祭」の昨年の様子。若者らが多く集った=京都府南丹市(同祭実行委員会提供)
クレーンでつられた「うみぞら映画祭」の水上スクリーン。たそがれの海と空が溶け合う=洲本市
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クレーンでつられた「うみぞら映画祭」の水上スクリーン。たそがれの海と空が溶け合う=洲本市

 海辺や森、里山など自然の中で映画を満喫する「野外シネマ」が近年、国内各地で注目を集め、地域活性化にも一役買っている。さらに大都市でも屋外の映画祭が増加。人気の理由は、映画館とはひと味違う開放感や非日常感で、機材の進歩でフィルム時代に比べ、移動上映しやすくなったことも背景にあるようだ。(堀井正純)

 5月下旬、大阪湾に面した淡路・大浜海岸(兵庫県洲本市)。夕暮れの砂浜の波打ち際には、440インチ(縦約5・5メートル、横約9・8メートル)のスクリーンが2台のクレーンでつり下げられ、家族連れや中高生らが浜辺にシートを敷いて腰を下ろす。

 映像制作会社を営む大継康高さん(37)=同市出身=の発案で3年前に始まった「うみぞら映画祭」。海水浴場に仮設した、この「海の映画館」が売りだ。

 映画「ダンボ」実写版の上映が始まると、和やかな雰囲気に。洲本市の小学4年の女児(9)は「波の音が聞こえ、空が広くて気持ちいい」と笑顔。続く英国の伝説的バンド「クイーン」の歩みを描く映画「ボヘミアン・ラプソディ」では、観客が一緒に歌い踊り、手拍子や足踏みした。奈良県から友人と来た看護師(23)は「みんなと一緒に見ている一体感、臨場感がすてきだった」と喜んだ。今年は2日間で約6千人が参加。第1回の3日間で約3千人から年々増えている。

 京都府南丹市の里山でも野外映画祭が8月10日夜にある。昨年に続き2回目。小学校の廃校跡に設ける3スクリーンで未明まで約40作を上映する。同祭実行委員会の石井信行さんは「ハンモックに座ったり、テント内に寝そべったり、自由に鑑賞できる。アウトドアイベント好きも集まり、夏の野外ロックフェスに似た乗り」と話す。同様にキャンプをしながら、森や湖畔で楽しむ形式の映画祭も人気だ。

 北海道の企業「ラコル」は「日本全国どこでも“劇場化”」と銘打ち、映画館の無い街に移動式スクリーンを運び野外上映。「魅力的な場所を劇場にし、人との出会いやつながりの場をつくっていく」と同社の横田翼社長(37)。今年は、北海道美唄市の飛行場の滑走路を会場にした。

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 都会でも野外上映会を盛り込むイベントが増えつつある。神戸市では4月、若者向けの音楽やファッションなどの複合イベント「078(ゼロ・ナナ・ハチ)」の一環で開催。神戸ハーバーランドの岸壁に大型のスクリーンと液晶マルチビジョンを設置し上映した。

 ほかにも、京都市の祇園商店街で催される「祇園天幕映画祭」(7月15日)は、祇園祭の宵々山で歩行者天国となる四条通にスクリーンを設ける。川崎市の地方競馬場では7月27日、競馬場の大型ビジョン(高さ16メートル、幅72メートル)を活用する。

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 野外映画祭は今年、全国で少なくとも20カ所以上である。波音や潮風、満天の星など、五感で感じられる自然との一体感や、その場だけの空間を楽しめるのが、大きな魅力。映写機材の小型化などで移動型の映画上映がしやすくなったのも増加の理由だろう。

 映画祭に詳しい矢沢利弘・県立広島大教授(経営学)は「映画館では静かに見ないといけないが、野外では堅苦しさがなく、気楽に楽しめる。映画人口が減る中、若者が映画の魅力に触れる良いきっかけになり、土地の魅力を発信して地域活性化にもなる」としている。

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