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会見する原告団副団長の黄光男さん(中央)=衆院第2議員会館
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会見する原告団副団長の黄光男さん(中央)=衆院第2議員会館

 ハンセン病元患者の隔離政策で差別を受けた家族らは、12日に発表された安倍晋三首相談話を高く評価し、「全員救済へのスタートラインだ」と期待感を示した。政府は法整備の検討を本格化させる方針だが、差別が依然続いていると懸念する声も。「課題はこれからだ」。原告らと記者会見した弁護団は決意を新たにした。

 「謝罪の言葉はありがたい。ただね…」。会見で安倍晋三首相による談話への受け止めを問われると、原告団副団長の黄光男(ファングァンナム)さん(63)=兵庫県尼崎市=は静かに語り出した後、語気を強めた。「信じたいけど(首相の)気持ちが本当かどうかは、これからの交渉の中で問われると思う」

 黄さんが1歳の時、母が岡山県瀬戸内市の国立療養所「長島愛生園」に収容され、翌年には父も入所。自身は児童養護施設で過ごした。小学3年生になって家族で同居を始めたが、「親も子も、普通の家族のような関係を築けない寂しさがあった」。2003年に母が自ら命を絶ち、父も後を追った。「差別をなくすためなら」と、黄さんは実名で裁判に臨んだ。カメラの前に顔を出し、生の声で訴えた。

 だが、約20人が集まったこの日の会見でも、多くの原告がカメラの前に出る勇気を持てないのが現状だ。原告団長の林力さん(94)は「まだ、身内がハンセン病だと誰もが平然と話せる社会ではない」と国の責任を強調した。

 熊本地裁判決では、ごく最近になって身内が元患者だと知ったり、元患者が直近の親族ではなかったりした原告20人の請求は棄却されたが、弁護団の徳田靖之共同代表は控訴しない方針を表明。「一日も早く、補償措置の枠組みづくりを国と一緒に進めていきたい-という決意を示すもの」と理由を説明し、今月中の協議開始を求めた。一方、補償の対象と中身については「被害に遭った方々で不公平にならないよう、一律の解決を求めていく」とした。

 「これが終着点ではない」と黄さん。「ぜひ、首相と会って私たちの気持ちを直接伝えたい」と力を込めた。(永見将人)

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